【ドラフト2024】猛アピールで運命の日を待つ ファーム新球団・オイシックス新潟アルビレックスBCの4人
すると6月にイースタン・リーグで28安打(リーグ2位)、7二塁打(同3位)、41塁打(同1位)、打率.364(同3位)の好成績で、新規参加球団所属選手初のファーム月間MVPを受賞した。その後、相手のマークは厳しくなったが、それでもヒットを積み重ね、打率.323でイースタン・リーグの首位打者を獲得したのだ。 「長い間を戦うのでデータは取られますし、さまざまな攻め方をされました」と、これまでにない消耗したシーズンだったと知念は振り返った。それでも野村克也監督のもとでヘッドコーチ、また巨人や侍ジャパンでは戦略コーチを務めたオイシックスの橋上秀樹監督と共有しながら、試行錯誤したことが結果となって表れた。 「勢いだけでうまくいく世界ではないので、考えながら試合のなかでの"読み合い"も意識しました。一方で、"負けたら終わり"の社会人野球で必死に泥臭くやっていた姿勢は、試合数の多いプロの世界でも変えていません」 新たなことを取り入れつつも、かつての経験も生かし、うまく融合させた。 社会人時代から「ドラフト30位でも行きたい」と切望するプロの世界。イースタン・リーグ首位打者という最高の結果を誇りに、プロからの指名を待つ。 オイシックスには知念のほかにも、タイトル獲得者が出現。創価大時代から最速を3年間で8キロ上げて148キロとしたサイドスロー右腕・上村知輝が20セーブ、アンダースローから浮き上がるストレートや多彩な変化球を武器とする神奈川工科大出身の下川隼佑が102奪三振で、それぞれタイトルを獲得。 ともに大卒3年目の今季、タフな相手と試合日程に揉まれ、それぞれ結果を残したことで一躍「ドラフト候補」として注目される存在となった。 【大化けの予感漂う速球派左腕】 結果を残すことは、アピールするうえで大事なことであるが、その一方でNPB球団のスカウトからは「二軍の成績だけでなく、一軍の戦力になれるかどうかを見ている」という声も聞こえる。今後の伸びしろや将来像も、大きな評価のポイントとなるのだ。