「手洗い続ける」強迫性障害テーマの映画、神戸・元町で上映 23歳の監督自身も当事者、もがいた日々描く
強迫性障害という精神疾患をテーマにした自主映画「悠優(ゆうゆう)の君へ」が30日から神戸市中央区元町通4の元町映画館で上映される。福原野乃花(ののか)監督(23)自身も7歳で発症した当事者。誰にも相談できずにもがいた日々を経て、同じ苦しみを抱える人に届けたいと製作した。母校の葺合高校(神戸市中央区)をはじめ、神戸の風景の中で青春模様が描かれる。 【写真】「映画が何かのきっかけになれば」と話す福原野乃花監督 光降り注ぐ教室で、笑いさざめく女子高生の輪から1人距離を置く悠。視線の先には人けのない手洗い場でいつも手を洗い続ける優乃がいる。病気に苦しみながらも隠している優乃が気になる悠-。 「強迫性障害」は次々と頭に浮かんでくる怖いイメージやささいなことにとらわれ、不安を消すために手を洗い続けたり、鍵のかけ忘れを確認したりすることがやめられない。福原監督は「どこかで自分はおかしいと思っているけれど、認めたくない気持ちや、打ち明ければ二度と友だちには戻れないのでは、と誰にも相談できなかった」と高校時代の自分を振り返る。 映画では神戸・舞子の浜を舞台に、2人の女子高生が互いの胸の内を明かしていく。福原監督は「自分は高校を卒業してから医療機関とつながり、症状が軽減していった。高校生のころは世界が狭く、周りには話せなかった。映画ではこんなふうに友だちに打ち明けられたら、という思いも託している。1人でも多くの人に知ってほしい」と話す。30日は上映終了後、監督の舞台あいさつがある。 12月6日まで、午後7時半から上映。58分。元町映画館TEL078・366・2636(鈴木久仁子)