北陸の夏 梅雨の最盛期 短期集中の大雨に警戒 歯止めが利かない猛暑や長い残暑も
この先は、梅雨前線は日本海から北陸付近に停滞しやすいでしょう。梅雨の最盛期となり末期のような大雨になる可能性もあり十分な注意が必要です。また、太平洋高気圧の北への張り出しが更に強まると、梅雨明けは平年より早まる可能性もあります。秋にかけては北陸地方の夏が高温傾向となりやすいラニーニャ現象が発生する可能性が高くなっています。梅雨が明けると厳しい猛暑や長い残暑となるでしょう。フェーン現象が頻発すると昨年に匹敵する酷暑となる可能性もあり、農作物の水の管理や熱中症などの健康管理にも十分注意が必要です。
チベット高気圧と太平洋高気圧 真夏にありがた迷惑な布団の2枚重ね
6月25日、新潟地方気象台の発表によると、北陸地方の向こう3か月は、引き続き「暖かい空気に覆われやすいため、平均気温は平年より高い」予想です。 その背景には、 ①地球温暖化の影響等で中緯度帯を中心に大気全体の温度がかなり高いこと。 ②ラニーニャ現象に近い海面水温分布となり、海面水温は、西部太平洋熱帯域・インド洋熱帯域ともに高く、積乱雲の発生が多いこと。 これらの影響で、上空にあるチベット高気圧は北東への張り出しがやや強く、偏西風は日本付近では平年よりやや北寄りを流れ、太平洋高気圧は北西への張り出しがやや強いでしょう。 こうしたことから、北陸地方は暖かい空気に覆われやすい見込みです。 梅雨が明けると厳しい猛暑となりお盆を過ぎても長い残暑となるでしょう。 例年の台風の進路は、8月⇒9月にかけて夏の高気圧(太平洋高気圧)が弱まるとともに徐々に南へ後退していきます。ところが、秋にかけて太平洋高気圧の北への張り出しが強い状態が続くと、台風が本州付近に近づいた場合、日本海コースとなりやすくなります。強いフェーン現象がたびたび発生して、北陸地方では9月になっても著しい高温となる日が出てくるでしょう。2023年(昨年)に匹敵する酷暑となる可能性もあります。農作物や家畜の暑さ対策、水の管理等には十分注意してください。また、熱中症などの体調管理、食品の温度管理には十分注意してください。 また、北陸地方の梅雨明けは、平年より早まる可能性も考えられます。ただ、期間が短くなっても油断は禁物。特に7月上旬頃を中心とした短期集中の大雨には十分な警戒が必要です。