北陸の夏 梅雨の最盛期 短期集中の大雨に警戒 歯止めが利かない猛暑や長い残暑も
梅雨の最盛期・末期のような大雨に警戒
今夏の北陸地方の梅雨入りは6月22日と平年より11日遅れましたが、23日を中心に大雨となりました。この先は、太平洋高気圧の北への張り出しが更に強まり、梅雨前線は日本海から北陸付近に停滞しやすくなる見込みです。 日本海の海面水温は平年より3度前後も高く、南からの強い暖湿気に日本海からの水蒸気の供給も追加されれば、雨雲は更に発達しやすくなることが予想されます。雨に関する情報にはいつも以上に気を配り、万一の際は躊躇することなく早めの避難、安全な場所に身を置くようにして下さい。
6月30日頃からは10年に1度程度の著しい高温
北陸地方には、30日頃からを対象に「高温に関する早期天候情報」が発表されています。この早期天候情報は、その時期としては10年に1度程度しか起きないような著しい高温や低温、降雪量(冬季の日本海側)となる可能性が、いつもより高まっているときに、事前に注意を呼びかける情報です。 農作物や家畜の暑さ対策、水の管理等に十分注意してください。また、熱中症などの体調管理、食品の温度管理には十分注意してください。
熱中症警戒アラート 発表が無くても「死亡」や「重症事例」も
グラフは、熱中症の救急搬送者数のシーズン計(富山県の日別症状別搬送数の過去3年のデータ使用)をアラートの発表有無で振り分けたものです。棒グラフの赤色はアラートが発表されなかった言わばアラートの発表基準未満の「暑さ指数(WBGT)33未満」での対象日の搬送人数、同様にして紫色は前日17時または当日5時にアラートが発表されていた対象日の搬送人数を示したものです。 2021年や2022年は、救急搬送数や死亡・重症者数ともに、赤色に相当するアラートの発表基準未満の方が人数が多くなっています。これは、熱中症警戒アラートが発表される「暑さ指数(WBGT)33以上」の基準に達する以前に、実況では既に危険な暑さになっていることを示すものです。環境省では、暑さ指数(WBGT)が28以上の場合、室温が上昇した屋内や炎天下では、運動を伴わない場合でも熱中症患者の発生率が急増するとしており、注意が必要です。 梅雨入りした北陸地方では、湿度が高く、空気の質が変わっています。暑さ指数は、「気温:1」「湿度:7」「輻射熱(ふくしゃねつ):2」の割合で影響が計算されるように、湿度のウェイトが最も高くなっています。湿度が高いと汗をかいても蒸発しにくいために、体温が下がりにくく身体の中に熱がこもりやすくなるために熱中症リスクが高まってしまうのです。 特に高齢者や小さなお子様は、周囲の大人が十分に気を配るようにしましょう。お一人で農作業などの屋外作業をする際は、定期的に休憩をとり、水分と塩分をこまめにとるように心がけて熱中症を予防していきましょう。