福島銀行4年ぶり赤字 中間決算、新システム費計上 来期以降黒字見込み
福島銀行が11日発表した2024年9月中間連結決算は、純損益が9億5100万円の赤字(前年同期は3億2100万円の黒字)となった。中間決算では4年ぶりの赤字となった。7月に稼働した次世代バンキングシステム導入の関連費用として14億円程度を計上しており、福島銀は「前向きな一過性の費用で、来期以降は黒字化を見込んでいる」とした。 売上高に当たる経常収益は66億400万円(前年同期比0・8%減)、経常損益は6億4600万円の赤字(前年同期は5億6600万円の黒字)だった。利回りの上昇に伴い貸出金利息や有価証券利息配当金は増加した一方、株式等売却益が大幅に減少した。 私募債を含む総貸出残高は、前年同期比69億円減の6152億円。新型コロナ関連融資の返済などが進んだが、住宅ローンでは過去最高となる2061億円(前年同期比89億円増)を計上した。総預かり資産は投資信託の販売などが好調に推移し、9263億円(同308億円増)だった。 有価証券の評価損は73億円。投資信託の評価損縮小が要因で、前年同期から4億円良化したが引き続き改善が課題となっている。不良債権処理費用は2億700万円で前年同期より7500万円膨らんだ。 連結の自己資本比率は、資本業務提携するSBIホールディングスからの増資により前年同期比0.42ポイント増の8.24%と強化された。福島市の本店で記者会見した加藤容啓(たかひろ)社長は「地元企業を中心に積極的に金融仲介機能を発揮し、企業価値を高めていく。デジタルでの業務効率化とコンサルティング業務強化で収益の積み上げを図る」と述べた。
福島民友新聞