昨秋コールド負けの優勝候補に公立校が“奇跡”を起こした! 草津が昨春センバツ出場・彦根総合を破る【24年夏・滋賀大会】
第106回全国高等学校野球選手権滋賀大会◇草津 6-3 彦根総合◇2024年7月9日◇マイネットスタジアム皇子山 【トーナメント表】滋賀大会 ここまでの結果一覧 草津が昨春の甲子園に出場している彦根総合に勝利。昨秋に3対10で7回コールド負けを喫した相手にリベンジした。 春夏通じて甲子園出場経験のない草津が掲げる目標は「奇跡を起こす」。秋に彦根総合に敗れてからはチーム力の向上に取り組んできた。 奇跡の序章を作ったのが公式戦初先発の背番号10・横井陽輝(3年)。「メチャクチャ緊張しました」と立ち上がりに1点を先制されるが、2回以降は120キロ台後半のストレートとカーブのコンビネーションでテンポ良く打たせて取る投球で追加点を許さない。 4回には二度の中断があったが、「上手く乗り越えてくれました」(平野裕介監督)と集中力を切らすことはなかった。 4回裏には最速141キロ右腕・吉田康清(2年)から一死満塁のチャンスを作ると、7番・岡田脩那(3年)の右前適時打で同点。続く8番・野間優貴(2年)が押し出し四球を選んで勝ち越しに成功した。 5回まで3安打無四球1失点と好投していた横井は6回表に連打と犠打で一死二、三塁と一打逆転のピンチを招いたところで降板。エースの増山史(3年)に後を託した。 増山は4番・山﨑生武斗(3年)に中犠飛を打たれて同点とされるが、これまでの自己最速を2キロ更新する138キロをマークするなど、力強い投球で後続を断ち切った。 7回表には一死二、三塁から相手がスクイズを仕掛けるも空振りを奪い、強擦プレーで走者を2人ともアウトにしてピンチを凌ぐ。 奇跡のようなプレーが起こった直後の7回裏に試合は大きく動いた。草津は連打で無死一、三塁のチャンスを作ると、相手の暴投で勝ち越しに成功。その後も岡田の2点適時打などで追加点を奪い、リードを3点に広げた。 増山は彦根総合の反撃を食い止め、6対3で勝利。公立校が優勝候補相手に勝利を収めた。 「奇跡を起こすことを目標にしているので、今日はそれが本気なんだというのをみんなに知ってもらおうというので臨みました」と平野監督。まさに奇跡と言える一戦だったが、「奇跡というよりは必然といった勝ちだと思います」と増山は胸を張る。 奇跡を起こす物語はまだ始まったばかり。「絶対に甲子園に行くという気持ちで戦っていきたいです」と主将の村井稜(3年)は意気込む。甲子園初出場という奇跡を起こす草津の戦いはこれからも続いていく。