「国内屈指の難工事」着手6年でついに完成 三遠南信道「青崩峠トンネル」本坑、3月に式典
飯田市南信濃と浜松市を結ぶ三遠南信道青崩峠トンネル(仮称、全長4998メートル)で、車両が通る本坑の完成式が3月2日に現地で開かれる。三遠南信道建設の難所とされ、本坑工事は2019年4月の着手から約6年を費やした。国土交通省飯田国道事務所(飯田市)によると、トンネル内の電気・通信設備の工事が残っており、開通時期は現時点で未定。 【地図】青崩峠トンネル
青崩峠トンネルは、長野・静岡県境をまたぐ青崩峠道路(5・9キロ)の一部。中央構造線に並行する軟弱な地質に加え、地表からの深さ(土被り)が最大610メートルに達してトンネル本体にかかる圧力が大きい。工事では掘削後に坑道を支える鋼鉄製の枠やコンクリートの強度を通常より高めるなど工夫した。飯田国道事務所は「国内屈指の難工事」としている。
本坑工事は現在、わずかな作業が残るのみ。昨年12月下旬には、阿部守一知事が現場を視察した。完成式は施工業者が主催し、沿線自治体の首長らが参加する予定だ。