【解説】中東に迫る危機~イラン攻撃 そのウラに潜む狙いと本音
■イランの“隠された本音”
イランのバゲリ参謀総長は14日、「今回の作戦は完全な成果をおさめた」として、これ以上攻撃を続ける意思はないことを明らかにしています。 イランには、数十倍の大規模な攻撃をする能力があるが、意図的に攻撃を抑えた、とも。政権の安定化をはかるため、国民には威信を示さなければならない一方、イスラエルとの正面衝突となれば、背後からアメリカが出てくる可能性もある。イスラエルとの全面戦争は避けたいが、国内向けには「きちんと報復した」と言いたい・・・そんなイランの複雑な胸の内がうかがえます。 ただ、今回のイランの攻撃に対して、イスラエルがどう出るかは未知数です。戦時内閣はもっかイランへの対応を協議中ですが、戦時内閣はイランへの報復そのものは支持しながらも、その時期や規模をめぐっては意見が分かれているとされます。 協議は近く再開される見込みですが、イスラエル側の出方によっては、双方の応酬が泥沼化し、中東情勢が悪化する可能性もあります。アメリカはイスラエルに対し、イランへの報復には反対するとして、アメリカ政府高官は「いかなる対抗措置にも関わらない」と述べました。 ただ、最近のガザ地区への攻撃をめぐるやりとりを見ると、イスラエルはアメリカの忠告にあまり耳を貸そうとしなくなっているため、アメリカが本当にイスラエルに歯止めをかけられるかは不透明です。 ボールは今、イスラエルの側にあります。イランはイスラエルが反撃すれば、さらに大規模な攻撃を行うと警告していて、予断を許さない状況が続いています。