「リーマントラベラー」東松さんが忙しくても海外旅行に行く理由。仕事にも役立つメリットとは
海外旅行のメリットははかり知れない
東松さんが、週末の弾丸旅行を繰り返して世界一周を目指したのは2016年。その目標をかなえた後も、海外旅行を続けて、通算80あまりの国を訪れたと言います。 当初は、「完全なる社会のレールからの逸脱」と恐怖心まであったという東松さん。ですが、これまで海外旅行を続行できたのは、単なる趣味にとどまらないメリットがあったからです。 東松さんは、日本のビジネスパーソンにも、そのメリットを体感してほしいと力説します。 たとえ日常が忙しくても、海外旅行は大いにおすすめします。 大きな理由として、心身がリフレッシュされ、行く前は心がへこんでいても回復が早いというのが、挙げられます。意外かもしれませんが、前向きに仕事をするのに欠かせない自己肯定感も高まります。 なぜ高くなるかというと、海外旅行は小さな成功体験を積み上げやすいからなのですね。何もかも新鮮であった入社時と違って、普段の業務で成功体験を味わうのはなかなか難しいでしょう。長期にわたる大プロジェクトを終えたときは、成功の感覚を味わえると思いますが、それだと頻度は少なすぎ、時間がかかりすぎなのです。その間、むしろ心がすり減ることのほうが多いでしょうし。 でも、海外の見知らぬ土地に行くと、仕事力がすごい人でも、基本的にはスキルレベル1に戻ります。予期しないトラブルとかハプニングが起き、スケジュール通りに進むことはほぼありません。迷ってなんとかたどり着いたというだけでも、通貨で支払いができたというだけでも、ちょっとした成功体験です。海外旅行は、小さい成功体験の積み重ねで成り立っているのです。それを経験するうち、いつの間にか自己肯定感がアップしている自分に気づくでしょう。 くわえて、自分の場合は、直感力がすごく上がったという自覚があります。それで、ふと思いついたアイデアの実現率がアップするなど、メリットを実感しています。それに、海外の見知らぬ土地を歩いていると、ビジネスにつながる発見や気づきも、たくさんあるはずです。 こうした、さまざまな利点を得るコツは、少々不便な環境や状況で旅することです。スマホの地図機能は使わないで、現地の情報をもとに目的地を探すというふうに。地図機能だけでなく、スマホ自体を極力見ないようにしましょう。スマホで調べたりすると、日本にいるのとあまり変わらない状態になりかねません。 それに、緻密すぎるプランを組んでしまうと、100点の旅行はできても、想定を超える200点の旅行は不可能になります。予想もしなかった楽しい体験やハプニングを「奇跡」と呼んでいますが、がちがちな旅程では、奇跡が起こる余地がなくなってしまいます。 その楽しみを満喫するためにも、旅の計画はある程度は大雑把にしてみましょう。
鈴木拓也