<水曜日のカンパネラ・詩羽>「20歳になったらこの世を去ろう」と決意した過去 初の書籍で赤裸々に明かす
「分かり合えないことって人間なら必ずある」という詩羽さんは、「22歳でこうやって考えられるのは、いろんな経験をしてよかったと思えること。なにも知らないで大人になってしまわなくてよかったな、って」と笑顔で振り返る。
◇知ることの恐怖を覚えた10歳 22歳の今、“知らない”ことを楽しむ
書籍の中に、「知らなかったことを知りすぎてしまったことに恐怖を覚えた」という一文がある。
「10歳のころ、物心がしっかりついて、平和であるべき時期に、姉と自分の父親が違うという、現実を知ってしまった。離婚する親のどっちについていくかを決めるタイミングで、知らなくちゃいけないし、理解しなくちゃいけなかったんです」
そんな経験をした詩羽さんは現在、「いろんなことを“知らない”ようになった」という。
「周りには、知っている1を10まで伸ばして、もっとよくしていこう、もっと知識を得ようという人が多い。でも、私は知らないことがすごく多くて、情弱(情報弱者)だし、知識がない。だから、逆にそれを楽しんでいます。知りたくないことを知らなければいけなかった10歳のころがあったからこそ、知ることをやめる、知らないことの楽しさを覚えるようになったのかも」
2023年からはドラマや映画にも出演し、活動の幅を広げている。
「これからも演技の仕事はいろいろしていきたいし、音楽以外の表現の仕方もしていきたい。自分の声で届けるのが好きなので、ラジオにも挑戦したい」
「20歳になったらこの世を去る」ことまで考えていた詩羽さんが今、生きていてよかったと感じる瞬間を聞くと、「ライブですね」と即答。
「ファンのみんなの愛を浴びる時間。あの瞬間は本当に生きててよかったと思う。いいお仕事に出会えました」
◇ファッションは武装 ぬいぐるみに囲まれてよく眠れる
取材当日、たくさんの装飾があしらわれた、ピンクの可愛らしいファッションで現れた詩羽さん。ピンクのヘアや個性的な衣装は詩羽さんのトレードマークにもなっている。