『キン肉マン』大好き作家・燃え殻×爪切男の先月の肉トーク!! vol.40【コミックス派はネタバレ要注意!】
●平和あふれる?「今週の採用超人」 爪 あと今回、ぜひ話しておきたかったのは、第468話~第470話の「今週の採用超人!」なんですけど......。 燃 ああ、僕もびっくりした。 爪 第468話の「アクシオス」は、今後の物語に登場してもおかしくない、いかにも今の『キン肉マン』っぽいフォルムの超人だけど。第469話は「ふでばこマン」で、第470話は女性の超人で「絆曹長(きずなそうちょう)」。 燃 ねえ? 爪 「ふでばこマン」は、本名で応募しているところを見ても、たぶんお子さんなんでしょうね。小学生ぐらいの女の子だったらいいなあ。 燃 なるほど、いいねえ。そうだとしたら、先生が採用したのも納得。 爪 これ、「超人オリンピック」に出るタイプの超人ですよね。 燃 そうだね。ガソリンプールとかに入れられる感じの(笑)。でもほんと、「アクシオス」のような正統派な超人だけじゃなくて、「ふでばこマン」や「絆曹長」のようなキャラも採用されるのが、『キン肉マン』の超人募集のいいところだよね。 今の物語の展開だと、登場させるのは難しいだろうけど、すべてが終わってこの世が平和になったら、また「超人オリンピック」が開かれて、「ふでばこマン」が出てくる。というふうになってほしいな。 爪 はははは。
燃 こういうキャラが元気に出てくるときは、平和だっていうことだね。 爪 しかし、今の小学生も、ふでばこ使うんですね。しかもこの画だと、ふでばこの中に入っているのが、シャープペンシルじゃなくて鉛筆なんだよな。 燃 そうなんだよね。今の小学生、授業でタブレットとか使ってるもんだと思ってたけど。 爪 ああ、じゃあそのうち、「タブレットマン」も送られて来るかも(笑)。でも、そうなると、「絆曹長」のほうは謎ですね。 燃 ねえ。「絆曹長」っていう名前なのに、出身地はスウェーデン。 爪 モデルとかいるのかな。ネーミングはすばらしいですけどね、「絆曹長」っていうのは。 燃 うん。でも、なぜ「絆曹長」なのか、何者なのか、全然わからない。「ふでばこマン」は、誰がどう見ても「うん、『ふでばこマン』だね」だけど。 爪 気になるから、3コマぐらいでもいいから、「絆曹長」を出してほしいな。「私は『絆曹長』、護衛します」とか言って、そばに付くとか。もしくは、スクリュー・キッド調査隊の一員に加えてほしい(笑)。 燃 はははは。爪さんずっとこだわってるね、スクリュー・キッド調査隊に。 爪 「絆曹長」、気になるから検索してみよう(スマホを出す)......あ! あった! 燃 え、嘘!? 爪 これを投稿した方が、自分で元のイラストをアップしてるんです、ほら(燃え殻に見せる)。 燃 うわ、画がうまいねえ、この人! プロなのかな? 爪 でもこれを見ると、元の名前は「きずなそうちょう」じゃないみたいですよ。「ばんそうちょう」って書いてある。 燃 あ、ほんとだ! 爪 「絆創膏」のシャレなんですね。手首足首のプロテクターが絆創膏型で、見た目の割にすごく硬い、という但し書きが。 燃 そうか。じゃあそれを、担当編集が「きずなそうちょう」と読み替えたっていうこと?(*編注:実際そうみたいです) 爪 まあ、そのほうが深い意味が出るというか、キャラクターにいろいろバックボーンがありそうに思えるのが、いいかもしれないですよね。 燃 (笑)。とにかく本編に出てくるのが観たい、「絆曹長」も「ふでばこマン」も。 ●燃え殻(MOEGARA)1973年生まれ、神奈川県出身。働きながら始めたツイッターでの発言に注目が集まり、作家デビュー。『ボクたちはみんな大人になれなかった』(新潮社)、『すべて忘れてしまうから』(扶桑社)、エッセイ集『それでも日々は続くから』(新潮社)『これはただの夏』(新潮社、8月28日に文庫版発売)、『ブルー ハワイ』(新潮社)など多数の著作がある。最新著は『明けないで夜』(マガジンハウス)。ドラマ『あなたに聴かせたい歌があるんだ』(漫画:おかざき真里/扶桑社)はHuluで配信中。出演中のラジオ番組 『BEFORE DAWN』(J-WAVE、毎週火曜26:00~27:00)もチェック ●爪切男(TSUMEKIRIO)1979年生まれ、香川県出身。2018年『死にたい夜にかぎって』(扶桑社)で小説家デビュー。2020年、同作が賀来賢人主演でドラマ化。『きょうも延長ナリ』(扶桑社)が発売中。集英社発のWebサイト『よみタイ』で好評を博した、美容と健康にまつわるエッセイ『午前三時の化粧水』が来春書籍化予定。ドライバーWebで『横顔を眺めながら ~爪 切男の助手席ドライブ漂流~』を連載中。主演:木村昴でのドラマ放送でも話題となった『クラスメイトの女子、全員好きでした』が文庫化 取材・文/兵庫慎司 撮影/鈴木大喜 ©ゆでたまご/集英社