中国、米国産LNG輸入急増-トランプ次期政権下の貿易戦争でリスク
(ブルームバーグ): 米国は今年、中国向けの液化天然ガス(LNG)輸出を拡大した。だがトランプ次期政権が貿易を巡って中国と対立すれば、輸出急増は続かない可能性がある。
20日発表された中国の税関データによると、中国が1-10月に輸入した米国産LNGは前年同期比63%増えた。米国は中国へのLNG供給国として、オーストラリア、カタール、ロシア、マレーシアに次ぐ第5位に浮上した。
ブルームバーグNEF(BNEF)によると、今年これまでに390万トンが出荷されたが、これは中国の輸入全体の6%にすぎない。中国のバイヤーが2026年以降について契約している米国産LNGは1400万トン。
もし米政権が中国製品に対する60%の関税案を実行すれば、中国政府が報復措置の一つとして米国産ガスに関税をかける可能性がある。実際にそうしたことが、トランプ政権下の最後の貿易戦争で起きた。2019年の大半の期間で米国の中国向けLNG輸出が停止した。
当然ながら中国はガス輸入の多さを貿易交渉のカードに利用する可能性もある。貿易黒字縮小に向けた取り組みで米国からのガス輸入拡大を約束することも考えられる。
原題:China’s Surging LNG Imports From US Threatened by Next Trade War(抜粋)
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