女子W杯なでしこ決勝T初戦は中5日日程でオランダに決定。イングランドに完敗した日本は勝てるのか?
決勝トーナメント1回戦まで1位突破なら中3日、2位突破ならば中5日の日程となる。前者なら比較的、後者ならば圧倒的に有利な状況となるなかで、なでしこを率いる高倉麻子監督(51)はスコットランド戦から中4日で迎えたイングランド戦へ、先発2人を入れ替えただけで臨んだ。 右ワイドを務めてきた中島依美(28)=INAC神戸レオネッサ=をボランチへ回し、空いた右ワイドには大会初先発の小林里歌子(21)=日テレ・ベレーザ=を抜擢。2トップの一角には菅澤優衣香(28)=浦和レッズ・レディース=に代えて、アルゼンチンとの初戦以来となる横山久美(25)=AC長野パルセイロ・レディース=を送り出した。 ゴールキーパーと4バックで組む最終ラインの5人、ボランチの杉田妃和(22)=INAC神戸レオネッサ=、左ワイドの遠藤純(19)=日テレ・ベレーザ=、スコットランド戦で先制弾を決めたFW岩渕真奈(26)=INAC神戸レオネッサ=、そしてポジションは異なるものの中島と、9人もの選手を引き続き先発させた。 「これまでは数多くの選手を積極的に起用してきた高倉監督だが、その過程で今回のワールドカップを戦っていくチームを見つけたと言っていい」 前出の鈴木氏は高倉監督の選手起用をこう評価した上で、決勝トーナメント以降はボランチを杉田とアルゼンチン戦およびスコットランド戦で先発し、イングランド戦では途中出場して、すべてで及第点のプレーを見せた三浦成美(21)=日テレ・ベレーザ=で固定すべきだと指摘する。 さらに両ワイドは右に中島を戻し、足に打撲を負っている影響でイングランド戦は出番がなかった長谷川唯(22)=日テレ・ベレーザ=が左に復帰したときに、鈴木氏は「攻撃力はかなりグレードアップする」と言い、こう続ける。 「長谷川の武器はドリブルを仕掛け、相手をかわしながら意外性に富んだパスを出せること。アイデアも豊富で、調子がいいときには相手に次のプレーを予測させない。守る側を嫌がらせる存在が現時点では岩渕しかいない状況に長谷川が復帰すれば、非常に大きなプラス材料になる。 岩渕と組む2トップの一角は、理想を言えば対戦相手に関係なく、サイズ(身長168cm体重65kg)があり、ポストプレーにも長けた菅澤となる。状態が上向いてきた横山には途中出場したときに、イングランド戦の菅澤のように、シュートチャンスで何度も顔を出すプレーが求められる」