女子W杯なでしこ決勝T初戦は中5日日程でオランダに決定。イングランドに完敗した日本は勝てるのか?
相性の悪いイングランド女子代表に、スコアの上では完敗を喫した。前半への入り方を含めて、反省点も少なくない。しかし、試合内容とは必ずしも比例しない。特に後半の途中からはなでしこジャパンが相手を圧倒。シュート数で5対8と後塵を拝した前半から一転、後半は11対6と大きく上回った。 フランスで開催されているFIFA女子ワールドカップ2019。すでに決勝トーナメント進出を決めていた日本女子代表はグループDの1位突破をかけて、日本時間20日未明にスタッド・ド・ニースで行われたイングランドとのグループリーグ最終戦に臨むも、0-2で一敗地にまみれた。 通算成績で1勝2分け3敗と負け越し、今年3月の国際親善試合でも0-3で完敗しているFIFAランキング3位のイングランドに前半14分、後半39分と失点を喫した。特に2失点目はなでしこが優位に試合を進めていた時間帯ながら、一瞬の隙を突かれてあっさりと決められた。 イングランドは3連勝でグループDを1位で突破。1勝1分け1敗の勝ち点4にとどまったFIFAランキング7位のなでしこは、逆転の可能性を残していたアルゼンチン女子代表が3点差を追いつく粘りを見せながらも、スコットランド女子代表と引き分けたことでグループ2位の座を守った。 ランキングの差が、そのまま結果となって表れた感も拭えない。しかし、日本女子代表の初代専任監督で、現在は解説者を務める鈴木良平氏は「それほどネガティブに受け止める必要はない」と、後半途中から盛り返した展開に今後へとつながる可能性を見出したと指摘する。 「後半の半ば以降で何がよくなったかと言えば、前線から積極的にボールを奪いにいく姿勢を徹底したことに尽きる。イングランドにプレッシャーをかけて数多くのチャンスを作り出し、シュート数で上回り、相手の苦し紛れのクリアを拾い続けることで完全に主導権を握ることができた。 相手を圧倒しながら0-2のスコアで負ければ、どうしても決定力不足という点がクローズアップされてくる。それでもチャンスの数やシュート数の多さを前向きに評価すべきであり、初戦から段階的によくなってきている点で、可能性は十分に感じられると言っていい。 その意味では前半への入り方が消極的だったというか、引いてブロックを作り、相手を待ち受ける形を取った方が課題となる。フィジカル能力やスピード、あるいはパワーの差を考えれば、なでしこは相手チームを受けて立つ戦い方ができるチームではないので」