「すさみ串本道路」開通は令和9年春以降 「紀伊半島一周道路に向け一刻も早い開通を]
建設中の自動車専用道路「すさみ串本道路」(和歌山県すさみ町江住-同県串本町サンゴ台間19・2キロ)で想定外の難工事箇所が見つかり、来年春の開通予定が遅れる見通しになっていることについて、国土交通省紀南河川国道事務所は28日、県などとの同道路事業工程会議で、開通が少なくとも2年遅れて令和9年春以降になるとの見通しを示した。 同事務所によると、安指川(あざしがわ)橋(仮称、串本町)の橋脚建設の際に多数見つかった硬質岩について掘削に通常の約4倍の施工時間を要したことや、小河瀬谷川(おがわせだにかわ)橋(仮称、すさみ町)の建設工事でひび割れが確認された地盤について調査し一部の基礎の構造変更が必要になったことなどから、大幅に遅延する見通しになったという。同事務所は「遅延期間が2年を大きく超えないよう工程短縮に努める」としている。 岸本周平知事は大幅遅れについて「誠に残念」とした上で「やむを得ないと考えるが、地域の発展と『半島防災』の観点からも『紀伊半島一周高速道路』の早期完成は不可欠で、国交省に対し一日も早い開通を改めて要請した」とのコメントを発表した。 すさみ串本道路は、早期全線完成が期待されている「紀伊半島一周高速道路」の一部で、平成26年度に事業化された。2車線(片側1車線)道路で、すさみ町側ではすさみ南インターチェンジ(IC)で紀勢自動車道と接続し、串本町側では建設中(完成時期未定)の「串本太地道路」と串本IC(仮称)で接続する予定。全体事業費は現在確定している約1870億円から、今回の対応などでさらに約290億円の増額が見込まれるという。 紀伊半島一周高速道路では、「新宮紀宝道路」(和歌山県新宮市あけぼの-三重県紀宝町神内間2・4キロ)が12月7日に開通する。