北朝鮮・金与正氏「極めて危険な状況の前奏曲」韓国「宣伝放送」6年ぶり再開“ゴミ風船”に対抗
日テレNEWS NNN
北朝鮮が韓国に向けて飛ばした“ゴミ風船”、これに対抗して韓国が6年ぶりに「宣伝放送」を再開しました。北朝鮮の金与正氏は、「極めて危険な状況の前奏曲だ」と指摘しています。
韓国・ソウル郊外の公園に浮かぶ白い物体。そのまわりでは韓国軍の兵士が入念にチェックする様子が…。この白い物体、北朝鮮から飛んできた“ゴミ風船”です。 別の日にも…。 「待って、あれ(ゴミ風船)なの?」 “ゴミ風船”は各地で目撃され、落ちた場所には紙くずなどのゴミが大量に散乱。防護服やガスマスクをつけた兵士が対応にあたっていました。
金総書記の妹与正氏 「1400あまりの気球で紙7.5トンを散布した」 今、韓国と北朝鮮の間で起きている風船の飛ばし合い。 発端は先月10日。韓国の脱北者団体が北朝鮮の体制を批判するビラを風船につけて飛ばすと、それに対抗して北朝鮮は“贈り物”として大量のゴミや汚物をくくりつけた風船3500個を飛ばしたと主張。さらに、次ビラを飛ばした場合、“100倍のゴミを送る”と警告しました。 しかし先週、韓国の脱北者団体は再びビラを飛ばしていて、今回の風船について北朝鮮は、その対抗措置としています。
これをうけて、韓国政府も対抗措置に乗り出しました。 車両から一斉に出てきたのは、大量のスピーカー。いわゆる「宣伝放送」をするためで、情報の流入をおそれる北朝鮮側を揺さぶるため、軍事境界線付近で北朝鮮に向けて体制批判などを流すものです。 今回、6年ぶりに再開され、体制批判のほか、韓国メディアによる世界的人気グループBTSのヒット曲「Dynamite」などを約2時間流したといいます。 韓国側は、宣伝放送の再開にあたり「すべての責任は北朝鮮にある」とした上で、風船を飛ばすことを中断するよう求めました。 これに北朝鮮は反発。 金総書記の妹与正氏 「極めて危険な状況の前奏曲だ。盗っ人たけだけしい態度で新たな危機的環境をつくった」 さらに、体制批判のビラ散布と宣伝放送を並行して行った場合「紙を拾い集めなければいけない困惑が韓国の日常になる」と再び風船を飛ばすことを示唆しました。