「変えずに変える」もの作り 旧産炭地から長く使える革製品を世界へ 「ソメスサドル」染谷尚弘さん #BOSSTALK
命を預かる責任と使命 道具としてのあり方、長く使える設計を重視
――もの作りに携わる会社として大事にしていらっしゃることは? 創業時から手掛けている馬具に代表されるように、われわれは単なるデザインではなくて、使う方の命を預かっている責任と重大使命があると思っています。あくまでも道具としてのあり方、(具体的には)修理ができ、メンテナンスすれば長く使える形で設計されているかを、常に大事にしたもの作りを心掛けていますね。 ――長く使ってもらいたい思いは一つ大事なポイントでしょうか? 他の素材では、現在さまざまな技術が発展して人工的なものもたくさん開発され、今後も可能性はあると思いますが、未だに天然皮革を超える材料は見つかってないと思っています。使い込めば使い込むほど、「味が出る」と言われるような、経年変化を楽しめる素材はあまりないんじゃないでしょうか? ――これから先のソメサドルについて、どういったビジョンを描いています? 当社は海外のマーケットを目標として設立された会社です。今、このタイミングでもう一度、海外のマーケットも視野に入れた動きをしていきたいと思っています。
過疎と高齢化が進む旧産炭地 「雇用を守り、地域に何かを還元する」
――北海道で馬具、革製品を作るという仕事に関してはどんな思いがありますか? 北海道の中でも当社の本社がある砂川市や、近隣の地域は一般的には過疎化、高齢化が進む中で、明るい未来のビジョンが描きにくい時代になっていると思います。その中でも、雇用を守り、この地域に何かを還元する取り組みは、これから先、私の代でベースを作っていかなければいけないと思っています。 ――リブランディングの中で、地域に貢献することも、これから先のサドルの姿としては描けそうですね。 ぜひ、そうしたいと思っています。
UHB 北海道文化放送