突然マンションの家賃が2倍に…相場10万円なのに18万円!? 管理会社は一方的に通告「値上げはオーナーの意向です」 本当は『民泊』への転用が狙いか
■なぜ民泊にこだわる? 賃料の値上げは法的には…
“令和の地上げ屋”ともいえる、突然の家賃値上げ通告。 なぜ、そこまで民泊にこだわるのでしょうか。日本橋界隈の事情に詳しい不動産業者に話を聞くと…。 【日本橋に詳しい不動産業者】「あそこも“民泊可”で募集が出てます。オーナーもそれでもうかるだろうと、民泊(業者を)募集していますね。賃料を倍ぐらいにして」 Q.普通に賃貸マンションを経営するより民泊の方がもうかる? 【日本橋に詳しい不動産業者】「もちろんそうです。1泊、1部屋1万、下手したら2万とか取れるわけで、月6万ぐらいで貸してるよりは全然もうけが出る」 「コロナになってから、いったん波は収まったんですけど、コロナ明けるちょっと前くらいから、どうせ観光客が来るからというので増えてきました。この辺、一帯が『(民泊)特区』なので」 住居として貸すより民泊業者に貸す方が、利益が出るという現実。大阪市は、民泊の「国家戦略特区」になっていて、新規参入がしやすいのです。
そして、外国人に人気の黒門市場の近く、つまり日本橋周辺は特に民泊の需要が高いエリア。そのためか、マンションAと同じようなことが起きているというのです。 不動産業者は、目の前にあるマンションを指して…。 【日本橋に詳しい不動産業者】「ここなんかも、まさしく民泊運用をするのに『出て行ってくれ』と。僕のお客さんが住んでいたんですけど、『転居先の契約は来週する』と言ってました」 Q.家賃はいくら上がるのですか? 【日本橋に詳しい不動産業者】「ここも倍と言われたと」 Q.倍にするような…。 【日本橋に詳しい不動産業者】「物件ではないですよね」
教えてもらったマンションを調べてみると、ここも管理会社は「X」。すでにリフォーム工事が始まっていました。 そこにいた男性に声をかけてみると…。 Q.こちらの方ですか? 【リフォーム会社を名乗る男性】「そう」 Q.ここは民泊になるのですか? 【リフォーム会社を名乗る男性】「うちはリフォームしか聞いていない」 Q.リフォーム会社の方ですか? 【リフォーム会社を名乗る男性】「はい」 ここもいずれ民泊になるのか…。 納得できないまま、住人たちは値上げに従うか、退去するかのどちらかを選ばないといけないのでしょうか?
不動産関係の訴訟にも詳しい亀井正貴弁護士は…。 【亀井正貴弁護士】「賃料の値上げについては、当事者の合意があって初めて成立するので、拒否したらそれでおしまいの話であって、それに従う義務はないです。(契約)解除するには正当な理由が必要なんですね。その正当な理由のハードルは結構高いです」 値上げは有効ではなく、正当な理由がなければ、退去の必要もないとのこと。 インバウンド客が回復して民泊が増加する一方で、人々の生活が脅かされているとしたら、本末転倒ではないでしょうか。 (関西テレビ「newsランナー」2024年6月6日放送)