「母を殺すつもりはなかった」鶴岡市の母親殺害遺棄事件 被告の息子が殺意を否認
山形放送
母親を殺害して鶴岡市の高齢者施設に遺体を埋めたとして、殺人などの罪に問われた男の初公判が24日、山形地方裁判所で開かれました。男は「母を殺すつもりはなかった」と述べ、起訴内容を一部否認しました。 この裁判は東京都千代田区六番町の会社役員・榎本虎太郎被告(41)が去年10月、同じマンションに住む母の萬里子さん(当時76)の首を絞めるなどして死亡させ、その後、自身が経営する鶴岡市の高齢者施設の敷地内に埋めたとして、殺人と死体遺棄の罪に問われているものです。 山形地裁で開かれた裁判員裁判の初公判で、榎本被告は「母を殺すつもりはなかった。殺意のところを否定させていただきます」と、起訴内容を一部否認しました。 検察と弁護側、双方の冒頭陳述によりますと、榎本被告は幼いころから、母・萬里子さんに虐待を受けたり、多額の借金を背負わされたりして日ごろから不満を抱えていました。また、萬里子さんは榎本被告が経営している高齢者施設の建物と土地を所有していて、事件前、第三者に売却しようとしていました。 榎本被告は萬里子さんの家を訪れ、売却しないよう求めましたが、その際、自身の子どもについての暴言を吐かれ、カッとなって首を絞めるなどしたということです。 検察側は「首を絞めるなどしたのは強い殺意があったため」と主張した一方、弁護側は「犯行時は気が動転していて死に至るとは思い至らなかった」とし、殺人ではなく傷害致死罪に当たると主張しました。判決は7月4日に言い渡されます。