江戸時代から続く老舗和菓子店、松河屋(愛知)が自己破産申請へ
(株)松河屋(TDB企業コード:400187297、資本金1000万円、愛知県名古屋市中区栄4-9-27、代表西野嘉高氏)は、8月23日までに事業を停止し、事後処理を宮田智弘弁護士(安井・宮田法律事務所、愛知県名古屋市中区丸の内1-4-12、電話052-239-1210)ほかに一任、自己破産申請の準備に入った。 当社は、1862年(文久2年)創業、1950年(昭和25年)8月に法人改組された和菓子メーカー。江戸末期創業で業歴150年を超える、当地でも老舗の一社だった。「松河屋老舗」のブランドで、「栗道楽」「芸どころ」「大納言」「百人一首」などのオリジナル商品を展開し、地元愛知県を中心に、東海・北陸をはじめ各地のスーパーや百貨店、空港などで販売。また、直営小売店舗として本店と春日店(愛知県清須市)などを構えていたほか、インターネットによる通信販売も手がけていた。早くから工場のオートメーション化を進めた一方で、門外不出の配合表を使用して職人の感性も活用するなど伝統と効率化を融合させた取り組みも評価され、94年5月期には年売上高約20億400万円を計上していた。 しかし、消費者の嗜好の多様化で洋菓子を取り扱う事業者などとの競争が激しくなり、売り上げは漸減傾向をたどり、2023年5月期の年売上高は約6億円にとどまっていた。そのため収益的にも厳しい状況が続くなか、事業の立て直しに取り組んできたものの奏功せず、運転資金の確保も困難になったことから事業の継続を断念した。 負債は約8億円の見込みだが、変動する可能性がある