挑戦④沼宮内高校フリースポーツ部誕生「まったり系」の運動部 少子化・生徒数減少で新たな部活動の在り方
TVIテレビ岩手
今月のシリーズ「挑戦」です。最終回は岩手町の沼宮内高校に新たに生まれた部活動を取り上げます。少子化で様々な部活が影響を受ける中、「挑戦」を続けています。 岩手県立沼宮内高校。今年で創立76年を迎えました。沼宮内高校といえば、ホッケーの強豪校として多くの栄冠を勝ち取ってきました。 そんなスポーツの名門校ですが、現在の全校生徒は77名。近年の少子化の波は大きな影を落としています。 及川和幸 教諭 「男女のホッケー部と、それから女子のソフトテニス部と、それから卓球部があるんですけれども、女子のソフトテニス部は今、3年生が引退して、あとはもういなく部員が長くなるというふうな形と、それから女子のホッケー部も今現在2年生が3人所属しておりますけれども、人数が足りないので合同チームとかで、あるいは助っ人を借りて試合に出るしかないというふうな…それでも学校内の生徒数自体が少ないから、人が集まらない状況で、各部苦労しておるという状況です」 部員の確保が難しい中、年々数を減らす部活動。お家芸であるホッケー部でさえ、厳しい状況が続いています。 そうした現状の中、去年、創部した部活動が。その名も「沼宮内高校フリースポーツ部」。何かしらのスポーツをしたいという生徒の要望もあり、様々な競技を程よく楽しむ、まったり系運動部の誕生です。 部長「これからフリースポーツ部を始めます。これから競技決めるんで、バスケやりたい人、手あげて!」 部員たち「はぁーい」 部長「では、そっちに行って。バトミントやりたい人」 部員たち「はぁーい」 部長「では、そっちに。お前らは?キャッチボール?」 やりたいスポーツに取り組む。その日その日の種目を自分たちで決めるのが「フリースポーツ部」の特徴、現在の部員数は17人にもなり、男子ホッケー部に勝る数の部員が活動しています。 及川和幸 教諭 「ああ、意外といろんなスポーツに興味を持っている生徒はやっぱりいるんだなっていうふうなことと、それぞれやっぱりみんな、なかなか部活動ができなくて我慢してたんだなっていうのがわかったという次第ですね」 部長 「他の部活だとガッツリ練習するから自分の得意なところを伸ばす感じだと思うんですけど、そういったような感じだと新しいことに挑戦してみようと思う。そういったことができるのでいいと思います。例えば、もともと他にも卓球部の人がいたんですけど、部活に入って他のバスケット得意な人に一緒にいろいろシュートを教えてもらって、いろんなことができるようになったっていう人がいるんです」 部活に対する考えも様々。やりたい部活がない現状の中で「フリースポーツ部」は重要な受け皿にもなっているようです。 生徒 「バトミントが好きだったので、バトミントン部があればいいなぁと思っていたけど、この学校にはないのは知っていて上で、フリースポーツ部に入ればバドも出来るしいいなぁって思った」 同じような気持ちを持った部員はこちらにも。中学まで野球部だったという鈴木さん。同級生が高校野球で活躍する姿を見ながら、複雑な思いを胸に日々投げ込んでいます。 鈴木さん 「自分も同じ球場にいたかった。一緒にプレイしたかったっていう考えがあります。(野球部を)作れるなら作って見たかった」 鈴木さんの目標はストレートで120キロを出すこと。試合はありませんが、自身の目標達成のため、日々、挑戦を続けています。 新たな部活動の形を示した「フリースポーツ部」ですが、こんな挑戦も。 スポーツを通して地域と繋がるボランティアです。 及川 教諭 「その当時、私も太極拳を習い始めたこともあり、子供達に紹介したところ、やってみよう!ということになりまして。実際に練習をしてみて、高齢者施設でやらせてもらったということです」 その活動もあり、秋に行われた岩手県の高文祭では「太極拳」を披露する機会も得ました。会場の反応も上々だったようです。 及川 教諭 「太極拳には限らず、何かこう自分でこう、例えばスケートボードとか、あるいは新体操とか、何でもいいんですけれども、もしそういうので個人で何かやっているスポーツがあれば、その活動も後押ししてあげるよというふうな形で設立させた経緯がありますので、ぜひそういうふうなことで、子供たちが自分たちの自主性の向上をさせていって、自分たちで何かやってみることは楽しいと思えるような、そんな部活動にできていったらいいな、それが挑戦かなと思います」 新たな部活動のあり方。そして地域との関わり。沼宮内高校フリースポーツ部の挑戦に注目です。