中谷潤人

〝ネクストモンスター〟は自分のスタイルを貫いていく。ボクシング7大世界戦（13、14日、東京・有明アリーナ）2日目に行われるWBC世界バンタム級タイトルマッチで挑戦者の同級1位ペッチ・ソー・チットパッタナ（30＝タイ）と2度目の防衛戦を行う王者の中谷潤人（26＝M・T）が11日、スター性が足りないとの指摘に対し、「僕は僕らしく」と意識しない考えを示した。 【写真】中谷の〝スター性不足〟を指摘したレジェンド 　米国の権威ある専門誌「ザ・リング」が定めるパウンド・フォー・パウンド（PFP＝全階級を通じたランキング）で9位にランクされるほど世界的評価を高めている中谷。その一方で、冷静で誠実な人柄が控えめな印象を与えるのか、そこに物足りなさを感じる関係者もいるようだ。 　その1人が元WBA世界ライトフライ級王座を13度防衛したレジェンドの具志堅用高氏。自身のユーチューブチャンネルで「スター性というかね。引き付けるものがちょっと足りないかなと思うんですね」と指摘したのだ。 　だが、中谷はまったく意に介していなかった。この件についてたずねてみると、「別に。僕は僕らしくと思っているので。僕を好いてくれる人を、僕は愛せばいい」とキッパリ。やはりリング上での戦いが本分であり、「もちろんボクサーなので、そこはしっかり」と言葉に力を込めた。 　そのためには目の前の戦いを突破することが何よりも重要。この日に都内で行われた興行の会見で、中谷は「サウスポー相手にも強い中谷潤人をお見せできるように頑張りたい」と、久々のサウスポーとの対戦にも自信を示した。 　そして、期待されるのは興行の1日目にWBA同級王座3度目の防衛戦を行う井上拓真（大橋）との王座統一戦。「流れもあると思うので何とも言えないですけど、まずはお互い目の前の試合をしっかりやって、形としてそう（拓真との王座統一戦に）なればいい」と冷静に先を見据えた。 〝華〟はリングの上で開かせる。