ドジャース対ロッキーズ　9回裏ドジャース無死、53号同点のソロ本塁打を放ち、雄たけびを上げる大谷（撮影・菅敏）

＜ドジャース6－5ロッキーズ＞◇22日（日本時間23日）◇ドジャースタジアム 　【ロサンゼルス（米カリフォルニア州）22日（日本時間23日）＝斎藤庸裕、斎藤直樹】ドジャース大谷翔平投手（30）が、逆転サヨナラ勝ちに貢献した。 　「1番DH」で出場し、5打数4安打1打点。1点を追う9回無死から放った53号同点ソロに加え、日本人メジャー最長の5試合連続盗塁をマークするなど2盗塁で「53－55」に到達した。01年にイチロー（マリナーズ）がマークした日本人のシーズン最多56盗塁まであと1。今季128得点はイチローが同年に記録した127を上回り、日本人最多を更新した。先発した山本由伸投手（26）は3回5安打4失点と課題を残した。 　　　　◇　　　◇　　　◇ 　大谷が感情いっぱいに、ベンチを飛び出した。ジャンプしながらバンザイ。ベッツのサヨナラ弾に大興奮を隠すことなく、はしゃいだ。歓喜の輪の中心に入り、劇的勝利の余韻に浸った。本塁打と盗塁の「53－55」に到達し、逆転サヨナラ勝ちに貢献。ロバーツ監督は「なんて結末だ。ショウヘイは、彼らしいプレーを続けてくれている。これほどまでゾーンに入っている選手を本当に見たことがない」と感激の様子だった。 　打って、走って、打った。周囲をうならせるショータイムの締めは、1点を追う9回無死、右腕ハルバーセンのスプリットを完璧に捉えた。弾丸ライナーの打球に同点本塁打を確信。自軍ベンチへ振り返り、人さし指を突き上げた。両拳を握り、感情むき出しに喜びながら、マッカロー・一塁コーチとのハイタッチにも力が入った。ロバーツ監督が「彼は勝ちたい。そこを渇望し続けている」と話した通り、勝ちに飢える大谷のパフォーマンスはシーズン終盤の負けられない試合でひときわ目立った。 　スピードでも流れを変えた。1－5の7回、9番E・ヘルナンデスの2ランで2点差とし、続いて大谷が右前打を放った。1死一塁から、すかさず初球スチール。この日2個目の盗塁で、5万人超のファンが一斉に沸いた。3番フリーマンの適時打につなげ、1点差とした。今季の大谷を象徴する盗塁を生かした攻撃で、ジワジワと相手を追い詰めていたのは明らか。それと同時にチームを鼓舞する姿は、勝つことに全集中している証しだった。 　5試合連続の盗塁成功とシーズン128得点は日本人選手の最多記録を塗り替えた。盗塁数も01年にイチローが記録した56盗塁まであと1。大谷の驚異的な活躍に、ベッツが「彼が7億ドル（当時のレートで1015億円）で契約したゆえん」と言えば、ロバーツ監督も「人間とは思えない。彼とずっとプレーしてきた訳ではないが、これほどまで集中できるとは想像し難い」と、うなった。 　24日（同25日）から、3ゲーム差をつける2位パドレスと直接対決3連戦。連勝すれば最短Vは25日（同26日）。大谷が再び、ドラマを生み出す予感が漂う。