AOKIが “100万円超え”のオーダースーツってホンキ? その意図を聞いた
オーダーサロンで接客力を伝え
“AOKI”へのエンゲージメントを強化
オーダースーツのハイエンド軸の強化には、富裕層と訪日客ニーズの刈り取りに加え、もう1つの狙いがある。それは「接客の価値」を伝えることだ。銀座本店のサロンにはオーダースーツのフィッティング技術に長けたスタイリストが常駐し、「百貨店にも負けないホスピタリティーと技術で接客できる」と誇る。
同社は既製品においても高価格帯の商品を強化し、「安くてそれなり」の量販店のイメージから脱却を進めている。昨年に発売した“金のスーツ”は1着8万円以上と高額ながら、計画比35%増と好調に推移している。「顧客が納得する高品質とそれを伝える接客があれば、高額商品でも売れる」(小出副社長)と自信を深める。「これまでスーツ量販店において、接客というのはそこまで期待されない部分でもあったかもしれない。だがオーダーサロンでの購入を通じて当店の接客技術やおもてなしを体験していただけば、“AOKI”に対して抱くお客さまのイメージがいい方向に変わっていくはずだ」。