【バレー】埼玉上尾メディックス・権田寛奈 強く優しいミドルブロッカー”ゴンちゃん”がコートに立つ理由 SV女子
「誰かのために頑張るタイプなのかな」 バレーボールSVリーグ2024年最終戦、12月29日、東レアローズ滋賀戦後の記者会見でのことだ。 埼玉上尾メディックス・大久保茂和監督はこの日スタメンに起用したミドルブロッカー権田寛奈選手の人柄について感想を求められ、そう答えた。 権田寛奈、2001年1月11日生まれの23歳。細田学園高校から内定期間を経て2019年に埼玉上尾メディックスに入団。今季6シーズン目。この日対角を組んだ日本代表の山中宏予は高校の1年先輩にあたる。 身長187センチ。バレーボール選手として恵まれた体格を持つ権田だが、Vリーグデビューには時間がかかった。 出場記録を遡ってみると、2020-21シーズンに4試合の登録があるも出場セットは0。 2021-22シーズンで33試合に登録され、16セットに出場した。 同期はチームの人気者、仁井田桃子(下北沢成徳高)。その仁井田は入団年の2019-20シーズンにすでに22試合に登録されている。 「おそらくね」 大久保監督はそれが自分の推測を含む発言であることを事前に断りながら話を続けた。 「身長も大きくて周りから期待をかけられてきたのでしょうけれども、それがプレッシャーになっていたのかな、と。だからね、あんまり期待、期待って言わないようにして待ってたんですよね。そうしたら芽が出てきた」 大久保監督は続ける。 「いつも奮起するきっかけがね、人のためというか。内瀬戸真実が引退した年の黒鷲旗で権田はベスト6に選ばれています。今季もね、山岸あかねがラストイヤー宣言していますし」 権田はみんなから愛されてるからね、と大久保監督は微笑した。 「でもね、権田の成長のために毎年誰かを引退させるわけにはいかないし、そういうきっかけがなくても”自分がこの世界で飯を食っていくんだ”という気持ちがね、今季を通じて彼女の中にしっかりと根を張ってくれればいいなと」 埼玉上尾メディックスは2024年末の東レ戦、28日のGAME1をフルセットで落とし、29日のGAME2を3-1で勝利した。 権田はGAME1には出場せず、GAME2でフル出場。高さを武器にチームを勝利へ導いた。
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