長野県・中信で2学期制の小学校増える 継続的学習が教員や児童の利点に
長野県・中信地区の小学校で、2学期制を取り入れたり、3学期制を維持しつつも通知表の配布を年2回にしたりする学校が増えている。2学期制を導入しているのは松本市立28校のうち約9割の25校で、塩尻市でも本年度、初めて桔梗小が始めた。一年を前・後期に区切ることで、児童たちが継続して学習でき、教員も長期的な見方で指導と評価ができる利点があるという。通知表の作成時間が減り、長時間労働が課題の教員の働き方改革にもなるとしている。 桔梗小は4~9月を前期、10~3月を後期とする。通知表は、前期分は10月の保護者懇談会で、後期分は年度末の3月に渡す。夏休みなどの長期休暇や、学校行事は昨年度までと同じ時期にある。 例年7月は、教員は1学期の通知表の評価付けや、保護者との個別懇談会があり、慌ただしかった。2学期制にすることで、夏休み明けまでに前期の指導や取り組みを振り返って全教員で後期に向けて計画を考え、練り直す時間を持てるという。 吉越秀之校長は、成果はまだ分からないとしつつ「児童にも先生にも余裕のあるゆったりとした一年を過ごしてほしい。それぞれの児童の良いところを理解した上で評価できる」と言い、より良い学校運営の形をさらに探りたいとしている。 3学期制だが通知表の年2回配布は、塩尻市の小中学校6校で行われ、安曇野市にもある。松本市の大野川小・中学校も来年、小学生の通知表配布を年2回に切り替えることを考えている。ただ、中学生と一緒に学ぶことがあるため、生活面は3学期制を維持する方向で、馬場英晃校長は「長期休み前は節目として、これまで通り児童に頑張ったことを伝える場を設けようと考えている」と話している。
市民タイムス