楽天・浅村栄斗 プラス思考で己と向き合い/夏男の季節
豪快な放物線が復活を予感させた。6月21日の日本ハム戦(エスコンF)。1点リードで迎えた2回先頭。浅村栄斗が山崎福也の投じたチェンジアップを強振。舞い上がった打球は左翼席で弾んだ。今季6号ソロを放つと、仲間と笑顔でハイタッチを交わした。 【選手データ】浅村栄斗 プロフィール・通算成績・試合速報 23日の同戦では5月31日のヤクルト戦(福島)以来の四番復帰。3対1で迎えた5回一死一、三塁で中犠飛を放ち、6対2での勝利に貢献。主砲が四番に戻った打線は、勢いづいたように11安打をマークした。 今季は開幕からまさかの絶不調。それでも交流戦は四番のまま開幕したが、2カード6試合で18打数無安打。6月4日の阪神戦(甲子園)から、ついにスタメンを外れた。代打での起用が続いたが、その時間を無駄にはしなかった。「より丁寧に。1回自分の打撃をしっかり見つめる、いい期間にしようと。プラス思考でやっていました」。打撃フォームの修正を含め、しっかり己と向き合った。 すると、リーグ再開初戦となった日本ハムとの3連戦では12打数6安打3打点。今江敏晃監督も「やっぱり彼の存在は大きい」と目を細めた。 昨年、7月に22試合に出場し月間打率.395、9本塁打をマークした夏男は「今は本当に、飛距離とかこだわりをまったく捨てて、丁寧に練習から心がけてはいるので、それがちょっとずついい方向に向いている気はします」と言葉に力を込めた。シーズン序盤は苦しんだ楽天だが、交流戦で初優勝を果たし巻き返している。頼れる主砲が得意とする夏に暴れ回り、チームをさらに活気づける。 写真=BBM
週刊ベースボール