“浮かぶホワイトハウス” ケネディ元大統領夫妻が所有していたヨットを3年かけて復元!
2020年、デザイナーのジャック・フィリップスは、生涯に一度のプロジェクト、かつてジョン・F・ケネディ元大統領とその妻、ジャクリーン・ケネディ・オナシスが所有していたことで知られる大統領専用ヨット「ハニー・フィッツ号」の完全修復を引き受けました。当時、造船から100年近く経っていたこのヨットを完全に修復するには、大規模な構造上の見直しが必要だったそう。 長年の顧客でありパーム・ビーチ郡の地元開発者でもあるチャールズ・モディカは、この廃船寸前のヨットを購入し、ケネディ政権時代の装飾を可能な限り忠実に再現する方法を模索していました。 当時革新的なスピードを誇るヨットだったハニー・フィッツ号は、1931年に就航して以降、ハリー・S・トルーマン、ドワイト・D・アイゼンハワー、ジョン・F・ケネディ、リンドン・B・ジョンソン、そしてリチャード・M・ニクソンの5人の米国大統領によって使用されましたが、実は当初、当時最も有名な大手小売企業の1つであったモントゴメリーワード社のシーウェル・エイブリーから造船を依頼されたものでした。チャールズ・モディカはこのヨットを、当時の最高の状態に復元しようと試みたのです。 【写真集】ジョン・F・ケネディ元大統領夫妻が所有していたヨットを復元!その内部を大公開
「このプロジェクトは、50年の実績がある我が社にぴったりフィットしました」とフィリップス。彼は、史跡保護やインテリア、またパーム・ビーチ郡の住民として多くのプライベートヨットに関わってきたバックグラウンドをもっています。ハニー・フィッツ号はまず、伝統的な手法を知る船大工や木製ヨット職人の協力のもと、現存する歴史的記録を参考にし、米国沿岸警備隊の規則に則って、ヨットの梁、下貼りの床、デッキの修復、上部の構造のオーバーホールを実施。そのプロセスは3年に及びました。 「私たちは、ジャッキー・ケネディが後部デッキのすべてのラタン製の家具を調達した会社、ビエレキ ブラザーズ社をニューヨーク州クイーンズで偶然発見しました」とフィリップス。さらに、ヨットの歴史を讃える話としてこう続けます。「ジャッキー・ケネディがホワイトハウスにある家具を参考に描き、トータルリフィット社のブラッド・ロンドンによって再現された備え付けソファの手描きのスケッチのコピーを見つけたのです」