体操・白井健三は、なぜ連覇を逃したのか
また、今シーズンは個人総合に力を入れ、苦手なあん馬やつり輪の練習を一生懸命にやったという別の側面もある。個人総合では飛躍的に実力を伸ばしたが、上半身に筋肉がついたことで踏み切りやひねりの感覚に多少の変化が出ている可能性もある。ここは指導者やナショナルチームの映像解析班らがしっかりと分析する必要もあるだろう。 今回は敗れはしたが、来年以降に巻き返しが可能であると感じられる要素がある。素直で前向きなメンタルだ。 「予選、団体決勝、種目別と、ずっとラインオーバーがなければ勝てると思っていたが、それができなかったのは自分の弱さ。でも、今回チャンピオンではなくなり、また下から追い上げて行ける。今回を今後に生かしたい」 最終日には、昨年4位とメダルにあと一歩届かなかった種目別跳馬の出番が控えている。「跳馬では僕はDスコアが低いので、思い切って演技して(高い)Eスコアを狙っていきたい」。まずは跳馬が最初のリベンジとなる。 (文責・矢内由美子/スポーツライター)