ウクライナ侵略1000日、トランプ氏の就任控え危機感…民間人犠牲者1万2000人超・領内25%に地雷
ロシアのウクライナ侵略が始まってから19日で1000日目となった。侵略の長期化に伴いウクライナでは被害が拡大し、国連によると、1000日間の民間人犠牲者は子供600人以上を含め少なくとも1万2164人に上る。ウクライナを支えてきた米国は、支援に否定的なトランプ次期大統領の就任が来年1月に控えており、ウクライナの危機感は強まっている。 【写真】プーチンに「NO」…抗議デモに参加するユリア・ナワリヌイさん
ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は19日、侵略1000日目に合わせて開かれた欧州議会の特別会議でビデオ演説した。「ロシアは自国の空軍基地が壊されたり、ミサイルや無人機の生産能力が失われたりしなければ、意味のある交渉に参加する動機がない」と述べ、対露圧力の強化やウクライナへの支援継続を訴えた。
ウクライナは軍事・外交両面で優位に立った上でロシアとの交渉に臨む筋書きを描くが、現実は厳しい。ロシア軍はウクライナ東部などで攻勢を続け、ウクライナが越境攻撃を仕掛けた露西部クルスク州には北朝鮮兵を投入し奪還を狙う。ゼレンスキー氏は演説で、ロシアに派遣される北朝鮮兵が10万人規模になる可能性があると指摘した。
露軍はミサイルや無人機を使った民間施設への攻撃も強化しており、ウクライナ国家非常事態庁によると、北東部スムイ州では18日夜の攻撃で11人が死亡した。国連によると、1000日間で損傷・破壊されたウクライナの医療施設は580か所以上、教育施設は1350か所以上に上り、4分の1のウクライナ領内に地雷が埋められたという。