【独自解説】大阪・関西万博の費用がまた約85億円増額 チケットの売上で賄う予定の『運営費』はチケット売れず赤字の懸念も…関係者からも「見通しが甘い」と指摘される万博の“おサイフ事情”とは?
大阪・関西万博の費用が、また増額されることが明らかになりました。『警備費』『機運醸成費』が大幅に増額。またチケット売上で賄う予定の『運営費』は、チケットが売れず赤字の懸念もでており、“税金で賄う”可能性も…。はたして万博の財源はどうなっているのか?『読売テレビ』中野颯大記者の解説です。 【動画で見る】大阪・関西万博 開催まであと約4カ月 また増額で今後どうなる… 財源はどこから?「見通しが甘い」運営費 万博おサイフ事情を徹底解説
■「見通しが甘い」と協会関係者も指摘 またも増額する万博費用
今回、新しく明らかになったのは、『警備費』と『機運醸成費』の2つです。『警備費』は、会場内での警備・要人警護・元々予定していたパビリオンではなくなった所の警護などに使うお金です。『機運醸成費』は、万博を盛り上げるために必要になるお金です。
万博の『お金の問題』について、改めて整理します。今回、増額が明らかになったのが『警備費』と『機運醸成費』の2つですが、『会場建設費』と呼ばれる、国と大阪府・市と経済界で3分の1ずつ負担するお金も、元々1250億円の予定が、当初より1100億円増の約2350億円と、2度にわたり約2倍に増額しています。
もう1つが、会期中の会場内での運営などに使う『運営費』です。これも当初より約351億円増の約1160億円になりました。全体的に、金額がどんどん増えているという現状です。 しかし、今のところ内訳の詳細は明らかにはされておらず、今回明らかになった2つは合わせて85億円ほどですが、これも補正予算案に通す段階で、『警備費』『機運醸成費』という発表があったのみです。詳細を明らかに公表していかないと、なかなか国民の理解を得られないのではないかというところです。 一方で、警護する必要のあるVIPが増えるということは、世界各国からの注目が高まり、多くの方が来るということなので、そこを含めて、『どれぐらい必要なのか・どういう理由で必要なのか』をちゃんと説明して、国民の理解を得られるのであれば、もちろんそこに投じるべきと考えます。
(『読売テレビ』高岡達之特別解説委員) 「世界のVIPの方を、警備会社の人に警護させるわけがないので、当然、警察がやります。大阪府警だけでは足りないので、警視庁や全国の警察も来ます。都道府県警察なので、残業代が発生します。それがもし、この費用の中に入っていなかったら…というのが一つ心配です。警備会社の人に守っていただくとなると、住む所・建物を用意する必要もあります。それはほとんど『人件費』で、後に残らないお金です。そういうところも、見通しが甘いのではないでしょうか」
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