美肌で人気のLED光治療、さまざまな効果のほどや製品の選び方を専門家に聞いてみた
どのLED製品を選ぶべきか
美容や医療目的で、様々なPBM療法を施すクリニックは世界中にある。一般的に、クリニックで使用する機器はより強力で、より良い効果をより早く得られる。しかし、自宅で治療したいという人にも多くの選択肢がある。 LED機器を選ぶ際、最も検討すべき点は出力の強さだと、どの専門家も口をそろえて言う。 「詐欺のような製品もたくさんあります。そのほとんどが、出力が小さすぎて使い物になりません」と、アブロン氏は言う。氏は、赤色光なら1平方センチあたり105ミリワットの出力がある機器を求めているが、青色光ならそれ以下でも良い。「40ミリワットあたりならいいと思いますが、10ミリワットではほとんど役に立ちません」 バロレット氏は、「レインボー」ライトをうたう製品も避けるよう注意する。つまり、緑や黄、紫といった光まで発する器具のことだ。健康面での効果が実証されている波長は、赤、近赤外、青だけだという。 米国の市場に出回っている全てのLED製品が米食品医薬品局(FDA)の認証を受けているわけではない点にも注意が必要だ。ウンシュ氏は、FDAの「510(k)」(米国ですでに合法的に販売されている医療機器と実質的に同等であることを示す)申請をクリアした製品であれば、試験は受けていないとしても、少なくともFDAによる安全性と有効性の評価は受けていると説明する。 しかし、LEDの理想的な波長、線量、出力、光源から照射対象までの距離に関して、目的別の“レシピ”はまだ完成されていないと、バロレット氏は指摘する。また、たとえば赤色光治療をアンチエイジングクリームと組み合わせるなど、LED治療を他の治療との組み合わせで最も高い効果が得られるケースもある。 クリニックで処置を受けるにしても、自宅でLEDマスクを使用するにしても、長い目で治療を続け、即効性を期待してはならないと専門家はアドバイスする。傷は早く治るかもしれないが、健康で普通に老化している肌の場合は、効果が見えるまでに時間がかかり、積み重ねが重要だとウンシュ氏は言う。「最初の段階で治療をしっかり続ける意思を持ち、気長に取り組むことです。そうすれば、5年後か10年後に効果を実感できるでしょう」
文=Leah Worthington/訳=荒井ハンナ