現役裁判官が地域手当めぐり国を提訴、弁護士の8割が評価<アンケート>
⚫️「判断が固定化しない点はメリット」「裁判の迅速化を妨げる一番の要因」
裁判官の経験のない弁護士からは次のような意見がありました。 【裁判の公平性が保たれる】 「転勤によって判断が固定化しない点はメリット」 「裁判官が入れ替わり当地の司法機能がきちんとはたらく」 「裁判の公平性を確保するためには、やむを得ない」 【事件に影響を及ぼす】 「訴訟の動向が途中で変わった結果、敗訴して、控訴することになり大変だった」 「勝ち筋が負け筋になること(その逆も)もあり、一長一短」 「異動が近くなると露骨に審理が遅くなる裁判官を複数経験した」 【新しい方法や制度を設けるべき】 「転勤が馴れ合い防止目的なら都道府県内の転勤枠も用意すべき」 「オンラインで裁判をするようになる中で、物理的な裁判所の必要性は減っている。高裁は東京と大阪の2か所だけでよいのではないか」 ## ●弁護士の8割が提訴を「評価」 現職の裁判官が実名で国を訴えたことについての賛否を問うたところ、「評価する」「やや評価する」が80.1%となり、弁護士の多くが竹内判事の提訴を好意的に見ていることが分かりました。 その理由として以下のような意見がありました。 ・どの裁判官も思っていたけど言えなかったことを、弁護士任官の裁判官が訴訟で世に問題提起をした意義は非常に大きい ・地域手当の格差については、裁判官からも不満の声が上がっており、辞める若手裁判官も多いと聞くため、改善が必要 一方で、裁判の行方自体については、「問題意識は理解できるが、法的根拠が難しい」「担当裁判官としては現行制度を否定する判決は書きづらいのではないか」などの意見も多く見られました。