レコーディングスタジオで集団レイプか、米ラッパーのショーン・コムズ被告が抱える訴訟一覧
レコーディングスタジオで集団レイプ
2023年12月6日:原告A ミシガン州の匿名女性はコムズと、コムズの長年右腕だったハーヴィ・ピエールを訴えた。17歳の高校生だった2003年当時、コムズとピエールにプライベートジェットでデトロイト近郊からマンハッタンに拉致されたという。2人は原告に薬と酒を飲ませ、ほぼ完全に意識を失わせた上で、レコーディングスタジオDaddy‘s Houseで集団レイプに及んだと原告は訴えている。 ベンチュラの弁護も担当したダグラス・ウィグドール氏とメレディス・ファイアトグ氏は、事件当夜に撮影された複数カラー写真を訴状に添付した。写真の中には原告がコムズの膝の上に座っているものもあった。匿名女性はニューヨーク市の「性暴力被害者保護法」に基づいて訴えを起こしたが、コムズとその運営会社は、州全域で適用される別の法律、すなわち「成人サバイバー法」下で2021年8月に成立した時効が「性暴力被害者保護法」より優先されるとして、訴えの棄却を請求している。 棄却請求に対する判事の裁定はまだ出ていない。仮に匿名女性の主張が認められ、審理開始となった場合でも、すでに裁判所は原告に実名を公表するよう命じている。 2024年2月26日:原告ロドニー・ジョーンズ 音楽プロデューサーのリル・ロッドことロドニー・ジョーンズは、コムズを性的暴行で訴えた唯一の男性原告だ。いわく2022年9月から2024年11月にかけて、『he Love Album: Off the Grid』製作中にたびたびコムズからセクハラ行為や身体接触を受けたという。 さらにジョーンズは、性的人身売買と恐喝の企みにも加担させられたと訴えている。コムズに代わってセックスワーカーの調達と渡航を命じられた他、コムズの関係者が違法薬物を携帯して渡航してコムズに提供していたのを見たとも主張している。 今年8月、コムズの弁護団はジョーンズの訴えを退ける申し立てを行った。訴えは「極悪卑劣な組織犯罪の陰謀論」で、「法的には何の意味もなさない疑惑とあからさまな嘘」だらけだと主張した。コムズの棄却請求に対してジョーンズは9月30日までに答弁を行い、その後判事が裁定を下す。 2024年4月4日:原告グレイス・オマーキー 2022年下旬、コムズ一家がヨットをチャーターしてセントマーティンで休暇を取っていた際、搭乗員のグレイス・オマーキーさんはキングの愛称で知られるコムズの末息子、クリスチャン・コムズ(26歳)から船内で性的暴行を受けたと訴えた。オマーキーさんは「狂暴化した」クリスチャンに全力で抵抗しなければならなかったそうだ。衣類を脱いだクリスチャンはオマーキーさんの両腕を掴み、「勃起したペニス」に「無理矢理口淫させようとした」という。 当初被告はクリスチャンだけだったが、現在はショーン・コムズも息子の行動をほう助した容疑とヨット借主の損害賠償責任で訴えられている。訴えに対して、コムズとクリスチャンの弁護団はまだ正式な答弁を行っていない。次回の審理は12月10日の予定。 2024年5月21日:原告クリスタル・マッキニー モデルのクリスタル・マッキニーは22歳だった2003年2月、デザイナーのロベルト・カヴァッリの口添えでショーン・ジョンのファッションショウに出席した。訴えによると、その後コムズから薬を盛られ、性的暴行を受けたという。マッキニーの主張によれば、暴行があったとされる数時間前にコムズからさんざんほめそやされ、イタリア料理店「シプリアーニ」でのお忍びディナーではキャリアを約束されたそうだ。その後コムズのレコーディングスタジオで行われたアフターパーティで、混ぜ物入りの大麻を吸うようコムズから強要され、その後バスルームに連れていかれると、オーラルセックスを強要されたという。 訴状には、性的暴行でマッキニーは「身体の具合が悪くなり」、その後一瞬気を失って、目を覚ますと「タクシーに乗せられていてショックを受けた」とある。事件で心にひどい傷を負ったマッキニーは、「事件当夜の衣類を洗わずに……ビニール袋に入れて保管した」と訴状には書かれている。 他の原告同様、マッキニーも「性暴力被害者保護法」に基づいて訴えを起こした。先週コムズの弁護団は元モデルの訴えに対し、すでに時効が成立している州法が優先されるとして棄却を請求した。