ウィリアム皇太子にとっては「痛手となる事実」も発覚...。チャールズ国王とともに「巨額の私的収入」を得ていることが大規模調査で明らかに
英ロイヤルファミリーの財源は複雑な仕組み故、しばしば議論の的になってきた。そして今日、新たなドキュメンタリーの公開を機に、またしても注目を集めるこことなっている。イギリスの民放番組が、チャールズ国王とウィリアム皇太子が得ている多額の収入について大規模的な調査を行い、その詳細を明かしたのだ。 【写真】メーガン妃、警護費用「3億円」の海外訪問...。現地民から「批判」も、上機嫌ぶりは止まらず イギリスの時事問題を扱う番組『Dispatches』がフォーカスを当てたのは、ランカスター公領(ダッチー・オブ・ランカスター)とコーンウォール公領(ダッチー・オブ・コーンウォール)という、2つの公領。この2つは、国王と王位継承者に収入源を与えるために、それぞれ1399年と1337年に設立された私有不動産で、純利益が全て持ち主に与えられる仕組みとなっている。そして前年度の数字を見ると、国王が2740万ポンド(約54億円)、ウィリアム皇太子が2360万ポンド(約47億円)の収入を受け取っていることに。これらはあくまでも私的収入であって、税金から毎年受け取る王室助成金とは別だ。 『The King, The Prince and Their Secret Millions(国王と王子の知られざる巨額の富の秘密)』と題した同番組では、どうしてこのような高額の“私的”収入が発生するのかを調査。その結果分かったのは、国民健康サービス(NHS)や英国軍、慈善組織などが、公領内の土地や不動産を使用するたびに、それに対し、それぞれ高額な使用料を請求しているからだと主張している。 「チャールズ国王とウィリアム皇太子の私有地は、納税者からの助成金を資金にしていないと主張しているが、例えば、コーンウォール公領内にあるダートムーア刑務所は地代を請求しているのだから納税者から収入を得ている一例になる」と同番組はナレーションで主張する。 また、土地の所有者である国王とウィリアム皇太子は、それほどの私的収入を得ているにも関わらず、コーンウォール公領の居住者の中には、生活する上での最低限の基準すら満たさないような衛生環境、カビの生えた住宅に住んでいる人たちが多くいることを番組が指摘。この事実は、ホームレス保護や環境問題の活動を積極的に進めているウィリアム皇太子にとって大きな打撃となる可能性もある。 もちろん、同番組には大きな反響が寄せられた。 「ロイヤルファミリーに対する考え方は人それぞれであるにしても、国民健康サービス(NHS)から収益を上げるべきではないという点においては、皆同意できる」と、NHSスタッフが運営する非公式キャンペーンNHS MillionはXに投稿。ドイツの公共放送連合ARDのロンドン支局長アネット・ディタートは「これは非常に重大な問題だろう」とし、同局だけではなく、『Sunday Times』紙や『Daily Mirror』紙でも同様に行われたという今回の調査について、「私が今まで見てきた中で最も総合的に行われた王室の財政に関する調査。その結果、あのNHSですら、王族から料金を請求されていることが明らかになった。君主制がこのような状態のまま存続できるのかどうか、議論すべき時が来たのだと思う」と投稿した。 また一方で、元BBCの王室記者ピーター・ハントは「ウィリアム皇太子は広大なコーンウォール公領を差し出すのと引き換えに、一定の収入を受け取るようにすれば、ホームレス問題の改善に向け大きな影響を与えることができる。彼は社会的に重要なロイヤルになるだろう」と投稿した。