【独自】袴田巌さんの後見人、姉・ひで子さんらを選任 刑事補償や裁判費用補償請求へ
現在の静岡市清水区で1966年に一家4人が殺害された事件で死刑とされ、やり直しの裁判(再審)で無罪が確定した元プロボクサー袴田巌さん(88)を巡り、姉ひで子さん(91)と弁護士の2人が成年後見人として選任されたことが18日、複数の関係者への取材で分かった。後見人となった弁護士が今後、袴田さんの刑事補償や裁判費用補償を請求するとみられる。
袴田さんは死刑囚として拘置され続ける中で精神に不調を来した。2023年10月に静岡地裁で始まった再審では「心神喪失の状態にある」と判断され、出廷が免除された。24年10月に無罪判決が確定後、ひで子さんが静岡家裁浜松支部に後見開始を申し立てた。 関係者によると、同支部は今月中旬、後見開始の審判をし、ひで子さんと弁護士を後見人に選んだ。これまで2人は保佐人を務めていたが、袴田さんの刑事補償などを請求するためには代理権のより強い後見人になる必要があったという。 袴田さんは1980年に死刑が確定した。第2次再審請求審で静岡地裁が2014年、再審開始と死刑・拘置の執行停止を決め、釈放された。しかし、検察が不服を申し立てたため、再審開始が23年に確定するまで9年の歳月を要した。