バラが咲くシュークリーム! ? 一流ホテル内「STRESSED(ストレス)」(大阪・梅田)で開発秘話を聞いた!
バラが咲くシュークリーム! ? 一流ホテル内「STRESSED(ストレス)」(大阪・梅田)で開発秘話を聞いた!
今回紹介するのは、SNSで話題になっている「バラのシュークリーム」。大阪・梅田駅のすぐそばにある高層タワー「グランフロント大阪」の1階にある「パティスリー STRESSED (ストレス)」のショーケースに、この秋から並んでいます。筆者も写真を見て一目惚れ! きっと多くのスイーツファンが「この秋、絶対食べたい」と思っていることでしょう。この注目のシュークリームを、早速取材してきました。
お店があるのはラグジュアリーホテルブランド「インターコンチネンタルホテル大阪」1階
JR大阪駅を降りて、北側に向かって2分ほど歩くとグランフロント大阪の北館に到着。目的地は、2013年に関西初進出したと話題になった「インターコンチネンタルホテル大阪」です。このホテルの1階にあるのが、「パティスリー STRESSED(ストレス)」。ラグジュアリーホテルブランドが運営するパティスリーなんです。画像提供:インターコンチネンタルホテル大阪店に入ると、大きなガラスの窓から緑の庭が見える開放的な空間。暖かい日の光や穏やかな水の流れが眺められ、時間を忘れて寛ぐことができそうです。「DESSERTS(デザート)」を反対から読むと「STRESSED」になります。"おいしいデザートを食べて、日々のストレスから解放された時間を過ごしてほしい"という想いを込めて名付けられたそうです。ホテル運営のパティスリーということから、敷居が高そうに感じますが、ケーキセットは1,650円(税込)と意外にもリーズナブル。百貨店に並ぶケーキと変わらない値段で楽しめてしまいます!
話題のシュークリームを実食! 考案したパティシエは、実は…?
こちらが本日のお目当てのケーキ…いえ、シュークリーム。シュークリームとは思えないラグジュアリーなデザインです。名前は「林檎とキャラメルのダブルシュークリーム」。インターコンチネンタルホテル大阪の副総料理長・エグゼクティブペストリーシェフを務める濱本佳秀さんに、このシュークリームについて話を聞きました。2022年に着任したという濱本シェフ「このシュークリーム、考案したのは私じゃないんですよ。季節で入れ替えるケーキとデザートはペストリーチームのパティシエたちが担当しています。その内のひとつで、23歳の若いパティシエールが考案しました」と、シェフがまず語ったのは驚きの事実。この美しいシュークリーム、専門学校を卒業して間もないパティシエが商品開発に携わったそうです。「林檎は紅玉を使っています。半玉分ほどの実を薄くスライスして、変色防止のためにレモン果汁を混ぜたシロップで、食感が残るように軽めに煮て、重ねて、バラの花を作るんです」飾りだけで、なんと手間がかかっていること…! 濱本シェフは、考案者からアイデアを聞いた時はもちろんストップをかけたそう。スペシャルなデザートではなく、ショーケースに毎日並べないといけないケーキだからです。「製造負担やコストを考えるのが責任者の役目です。しかし、彼女がどうしても実現させたい、とかなりの熱意をぶつけてくれたので。私も『どうすれば問題をクリアできるか』を一緒に考え、無事商品化に至りました。このバラの飾りだけでも、約1ヶ月は試行錯誤したと思います」シュー生地はクッキーシュー。「サクサク」よりもさらに上の食感「ザクザク」を目指して、ざらめを混ぜ込んでるのだとか。シューの食感を保つため、焼き置きはせずすべて当日の朝に焼いているそうです。シューの中はキャラメル入りのカスタードと生クリームのダブルクリーム。林檎のコンポートまで入っていてかなり凝っています。「何もここまでしなくても…」と心配になりますが、食べてみると林檎の優しい甘さが最後まで残り、確かに必要なコンポートです。「生地の上のクリームはキャラメルのクリームです。普通の生クリームでいいんじゃないか、と提案したのですが『白いクリームだと、白に目が向いてしまう。バラが主役で、かつ統一感を出したい』と押し切られました(笑)。確かに、キャラメルクリームの方が色合いは大人っぽいなと思います」緑の葉っぱはチョコレート。「ミントの葉でいいのでは? 」と聞いたところ、時間が経つと張りがなくなってしまうことからチョコレートにしたのだとか。一切の妥協がないシュークリームです。「私には無かったアイデアです。彼女の熱意があって、完成度の高い商品になりました。本当によく頑張ってくれたと思います。やり残したことは一切ないと言い切れます」濱本シェフは東京、ロサンゼルス、シンガポールなどのラグジュアリーホテルで経験を積んでいます。世界のセレブを相手にスイーツを提供してきた実力派も、若手のアイデアに刺激を受けたとのことでした。