スロバキアの中盤をまとめる小さな司令塔 EUROで93.8%ものパス成功率を残すロボツカが上手すぎる
ボールを奪われることがほとんどない
グループステージ2試合を消化し、4チームが勝ち点3で並んでいるグループE。この混沌としたグループを作るきっかけとなったのが、初戦でベルギー代表を1-0で撃破したスロバキア代表だ。 試合前の段階ではベルギーの方が優位と思われたが、スロバキアは相手のミスを突いて先制点を奪い、そのまま逃げ切った。このベルギー敗北により、グループEの流れは変わった。 そのスロバキアで輝きを放っているのが中盤の底に入るナポリMFスタニスラフ・ロボツカだ。 ナポリは2022-23シーズンにスクデットを獲得しているが、ロボツカはそこでも中心的な存在だった。ボールを止めて蹴る基本技術が高く、ほとんどボールを奪われることがない。それはスロバキア代表でも同じで、ロボツカを経由することでボールを落ち着かせられる。スロバキアの中盤にはMFユライ・クツカ、オンドレイ・ドゥダもおり、この2人もボールを落ち着かせるのが上手い。スロバキアの展開力はなかなかのレベルだ。 ロボツカには、バルセロナからの関心も伝えられていた。スペイン『Mundo Deportivo』もその件に触れており、ロボツカのテクニックはバルセロナの中盤でも通用するものだろう。 ただ、バルセロナは指揮官がシャビ・エルナンデスからハンジ・フリックに交代する。ロボツカの代理人を務めるブラニスラフ・ヤルシェク氏は、監督交代で全てのシナリオが変わったと語っている。 「我々はバルセロナと条件面で合意したが、それから監督の交代があった。状況は不透明で、バルセロナには財政の問題もある。スタニスラフ(ロボツカ)はナポリに留まることもできるし、誰もがハッピーになれるだろう。それが彼にとって最も可能性の高い選択肢だ」 バルセロナが関心を示す理由も頷けるほどのテクニックで、ロボツカはそれをEUROの舞台で存分に発揮している。ここまでチームで3番目に多い129本ものパスを繋ぎ、その成功率は驚異の93.8%だ。ロボツカを中心としたスロバキアのパスワークに魅了されているサッカーファンは多いだろう。
構成/ザ・ワールド編集部