インド証券当局、急成長の投信調査-フロントランニング疑惑巡り
(ブルームバーグ): 急成長を遂げるインドの投資信託業界の新星が、フロントランニング疑惑で調査対象となった。相場上昇が続く株式市場を取り締まろうとするインド当局の試みがあらためて注目されている。
事情に詳しい関係者によると、インド証券取引委員会(SEBI)は当局の監視システムによって生成されたアラートに基づき、クオント・ミューチュアル・ファンドの従業員による取引を調べている。同社はSEBIから問い合わせを受け、調査に全面的に従うと資料で表明した。
フロントランニングとは、株価を動かすような大きな取引が間近に迫っているという内部情報を得た人物による株取引。多くの市場と同様、インドでもこうした行為は違法。
ここ数年に見られた同様の調査は、企業からの注文が近いとの情報を悪用し個人口座を通じて利益を得た投資会社の従業員が照準に定められていた。
中国の成長見通し悪化後、世界的な投資家が選好するインド株式市場はブームが続くが、さまざまな問題も生じている。インドで最も急成長している投信であるクオント・ミューチュアルは、急増する資金流入から大きな恩恵にあずかっている。
インド当局、影の銀行に新たな制約-融資・IPOに水差す可能性
原題:Front-Running Probe Ensnares $11 Billion Fund Quant Mutual (1) (抜粋)
--取材協力:Chiranjivi Chakraborty、Abhishek Vishnoi.
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Ashutosh Joshi, Alex Gabriel Simon, Preeti Singh, Saikat Das