NPB編成来場ゼロも来年は新庄剛志氏参加にラブコール!清原氏監督の「ワールドトライアウト」に意味はあったのか
だが、一方で、実際、今回のトライアウトを訪れたNPBの編成、スカウトはゼロ。「オファーはかけたが、そこが苦しいところ。NPBとの垣根を緩和していければ」と、加治佐CEOが打ち明けた。参加26人中、ほとんどが独立リーグの選手。「トライアウト」というが、実質は、元NPBの4人以外は、NPB入りを実現するには、ドラフトにかけねばならず、NPB入りに関しては「トライアウト」の役目を果たしているとは言えなかった。 高木、友永、横山の元NPB組は、11月12日に大阪で開催された12球団合同トライアウトに参加しており、NPBの編成部からすれば「すでに見た選手」。ここでわざわざ追加調査する必要はなかったのだろう。 またダン野村・事務所が間に入って4人の外国人選手が参加したが、試合間隔が開いていたことを差し引いても、そのレベルは決して高くなかった。人数合わせの感が拭えず、NPBのチームが獲得候補としてリストアップするようなメンバーではなかった。 ハルボーンは、独立リーグで投げている投手で203センチと上背はあるが、ストレートは140キロ前半程度で、ボールが動かず、独立リーグの選手に痛打される始末だった。 メジャーの日本在住スカウトが5球団来場したが、球団名を公表することもしなかった。 「NPBの選手会には協力をいただいた。今後は、NPB機構にも認めてもらえるように根強く働きかけをしたい。2、3年、選手ファーストでイベントを続けて一人でも多くの選手が海外チャレンジをしたという結果を示すことでNPBに認めてもらいたい」 加治佐CEOも、今後はトライアウトにより実行性を持たせたいという考え。 ただ今回はクラウドファンディングで約100万円の資金を集めた。MVPの高木、MIPの徳島インディゴソックスの箭内翔太投手(21)、テルビン・ナッシュ内外野手(28)に今後の活動の資金援助として分配するという。 NPBから声のかかっていない高木はメキシコリーグへの挑戦を決めているが、「そのサポートになれば」と加治佐CEO。 「今後はセカンドキャリアに役立つ英語やエクセルなどの技能を選手の間に養成していくようなことや。他のスポーツのトライアウト実施も模索していきたい」とも付け加えた。 「人生の再チャレンジ」を応援する画期的な「ワールドトライアウト」を単なるイベントで終わらせず、より実効性を伴った意義のあるものにするには、「もっと多くの選手に集まってもらい、コンセプトを浸透するには2年目が大事になる」(加治佐CEO)。そのためには今後も話題性は必要になる。 加治佐CEOは、現役復帰を宣言、来年のトライアウトを受験することを宣言している新庄氏への熱烈なラブコールを送った。 「新庄さんの現役復帰? ニュースで知っております。門戸を開けて待っております。ぜひ参加いただけると非常にありがたいです」 先日、日ハムから自由契約となり、12球団、どこでも契約ができるようになった新庄氏が、どう反応を示すかわからないが、復帰をアピールする場は、多くあるほうがいいに決まっている。 「ワールドトライアウト」の最終目標は、NPBの12球団合同トライアウトとの合体だが、来年もまた話題を集めそうだ。