過去の自分を救いたい SKY-HIが他人をプロデュースしはじめた理由
「過去の自分みたいな人」を救うのは、自分が幸せになるため
――なぜご自身のパフォーマンスの磨き込みではなく、ボーイズグループのプロデュースにこだわったのですか? 3年前までは自分のことしか考えてなかったです(笑)。自分がそのまま独立起業して、パフォーマンスを突き詰めていくんだろうなと。でもここ数年で、若い世代から相談を受けることが増えました。相談に応じていくうちに、ちょっと前の自分を見ているような気持ちになることも多くなり、気持ちも変わっていったんです。 自分が死に物狂いで通ってきた道というのは、後ろにできているのは獣道くらいなのかと思うと、やってきたことの証明として心もとないという気もしましたし、このまま死ぬとやり残しを感じてしまいそう。だから、「過去の自分」みたいな人を救うことにしました。そうすることでしか、過去のトラウマを解消することはできない。また、そこに道を作ることで、今までの苦しみ・葛藤・苛立ち・鬱屈とした気持ちに、意味を付けることができると思いました。 過去の自分みたいな人を良い方向に導ける組織を作ることができたら、僕は将来、60歳70歳になって、まだ引退してないのかアイツなんて言われるような時に、「幸せになった自分」と一緒に曲を作れるわけですね。それが最高の音楽人生だと思います。 ――SKY-HIさんが目指す先は? 日本の音楽業界や芸能界を、根っこから変えないといけないと思っています。それが大変だということは、今身をもって感じているんですけど、自分のためにもやらないといけない。自分のために人を救っているわけなので、僕は決して利他的ではない。むしろめちゃくちゃ利己的です。 自分自身の幸せが大事なポイントですね。人からは幸せと思われてるけど、実は自分で幸せを感じていないという時期があったので、まあバネみたいなもんですよね。グッて抑えられている時期が多かったから、その反動で求めるものはすごい強いです。 でも、自分が嬉しいだけでは、自分の幸せは訪れないと思っています。自分に賭けてくれた人が幸せでないと、やっぱり幸せじゃない。そう思えていることは人間として健康的で、今僕はいい方向に幸せを求められているんじゃないかなと感じています。 (制作協力/シオン)