映画「アイミタガイ」黒木華さんインタビュー 親友を亡くした喪失感の中に「温かい気持ちになれる作品」
中村蒼さんは「まっすぐで爽やかな方」
――梓に寄り添う恋人・澄人役を中村蒼さん、親友の叶海役は藤間爽子さんが演じていましたね。 澄人はまっすぐな性格だからこそ、梓の状況を見ながら追い詰めないで、支えられたんだと思うんです。ときどき空気が読めないところもありますが、そういったところも含めて、優しさに満ちていて。実際に、中村蒼さんご自身、まっすぐで爽やかな方です。 爽子ちゃんは以前共演をしたことがあったので、今回、親友役ですごく楽しかったですね。梓と叶海のように、ずっと一緒にいた感じを違和感なく作ることができました。撮影で長いカットがかかるまでのアドリブも、2人で無理なく、仲良く話せて良かったです。 ――梓がピアノ演奏を依頼するこみち役を、草笛光子さんが演じていました。 草笛さんはとてもチャーミングな方だと思いました。映画のこみちさんの服は、草笛さんがご自身の服を持ってこられて、「この服はどうだろう?」と草野監督にご相談されていたらしくて。そこまで愛情を持って自ら提案されるところもすばらしいですし、その場にいるだけで絵になる方です。 ――梓の祖母・綾子役は風吹ジュンさんでしたが、黒木さんご自身のおばあちゃんとの思い出はありますか? 風吹さんはよく共演させていただいていて、仲良くしてくださっているので、梓を演じるにあたって、とても安心感がありましたね。私自身の思い出といえば、おばあちゃんはお蕎麦が大好きで、よく一緒にお蕎麦を食べていたことです。芸術的なことが好きな人だったので、実はある映画にエキストラで出演したこともあるくらい。私はシャンソンが好きでたまに聴くこともあるんですが、それはおばあちゃんの影響です。 ――素敵なおばあちゃんですね。映画の撮影は主に三重県の桑名市で行われたそうですが、撮影以外ではどんなふうに過ごしていましたか。 爽子ちゃんと「ご飯に行こう!」という話になって、私が「おいしいところ探すわ」と、桑名は焼きハマグリが有名なのでそのお店を見つけて。いざ行こうと思ったら、私が予約の日を間違えていて、そのまま爽子ちゃんは撮影が終わって帰ってしまうという出来事が……(苦笑)。今度は東京でご飯を食べることになりました。 ――次は無事に会えますように。本作では、往年の名曲「夜明けのマイウェイ」をカバーした主題歌にも挑戦されていますね? 映画の撮影が終わってから、主題歌を歌うことが決まって。撮影現場で、歌が好きかどうかを聞かれて、カラオケは好きだ、という話をしたらなぜか歌うことに。昭和歌謡が好きなので、カラオケでは山口百恵さん、中森明菜さんや、Coccoさん、椎名林檎さん など、その時々で好きな歌を歌っています。でも主題歌となると話は別で、私はプロの歌手ではないので、演技とは違って難しかったです。ただ、やるからにはちゃんとせねばと、歌唱指導の方に助けられて、なんとか形にしてもらいました。