「大阪・関西万博」の会場は今、どんな感じ?建設途中の夢洲に行ってきた!
2024年12月20日、大阪・夢洲にて「大阪・関西万博 年末夢洲取材会」が開催。なお、大阪・関西万博は2025年4月13日(日)より開催予定だ。 【写真】韓国パビリオン。取材会当日は巨大ディスプレイがお出迎え 当日は、シグネチャーパビリオン「いのち動的平衡館」やオランダパビリオン、韓国パビリオン、トイレ、そして今回の万博のシンボルである「大屋根リング」の途中経過を公開。 本記事では、各施設についてレポートする。 ■大阪・関西万博のテーマ「いのち輝く未来社会のデザイン」から派生した施設たち 取材会当日、夢洲に降り立つと、完成しつつある大阪メトロ中央線「夢洲駅」のゲートが見え、開催への期待感が増した。そのすぐそばには万博会場のゲートがあり、会場の立地のよさを感じる。 「大屋根リング」をくぐり、最初に向かったのはシグネチャーパビリオン「いのち動的平衡館」。大阪・関西万博でテーマ事業プロデューサーを務める生物学者・福岡伸一さんがプロデュースしており、内部には一本も柱がなく、うねるようなデザインが特徴だ。 パビリオンのテーマは「いのちを知る」。本館では、3万6千本ほどの棒に約32万個のLED電球を散りばめ、円柱形に配置した作品が展示される。映し出す光の集結で細胞分裂や動物の誕生を表現しているそう。 福岡さんはこのパビリオンについて、「『生命とは何か』『いのちとは何か』について、正面から向き合って制作しました。この万博では、『どのようにいのちと向き合っていけばいいか?』というメッセージを発信する意義があると思っています。作品を“光のショー”として見ていただき、生命はどこから来てどこへ行くのか、私たちのいのちとは一体何なのか、ということについて、皆さんに考えていただきたいです」とアピールした。 その後、「トイレ2」と呼ばれる建築物の前へ。パッと見ではトイレとは思えない、美しい石のアートのようなビジュアルだ。 「トイレ2」は、若手建築家の竹村優里佳さん、大野宏さん、小林広美さんによる共同設計。今回は竹村さんが報道陣の前に登壇し、「今回、『いのちを持つには』というテーマで設計を提案させていただきました。私たちのほうで石の種類から決めたのですが、大阪城の再建の際に使用されなかった石、いわゆる『残念石』が近畿各地にあることがわかっていたので、使わせていただきたいなと。最終的には、京都府木津川市加茂町にある石を使わせていただいています。このトイレをきっかけに、日本の歴史や木津川市にもフォーカスが当たればうれしいです」と制作の経緯を話した。 ■大迫力の海外パビリオンは個性豊かなテーマと建築デザインに注目を! 続いて、オランダパビリオンへ。各国のパビリオンはまだ建設途中だが、オランダパビリオンは全貌が明かされつつあり、波打つ外装と大きな球体が印象的。 「コモングラウンド」をテーマに、人々と健全で幸せな社会構築を目指すオランダ。パビリオンの名前を「A New Dawn‐新たな幕開け」とし、クリーンエネルギーを水から生成する新技術を紹介予定。 在大阪オランダ王国総領事館の総領事であるマーク・カウパースさんは、この施設について「パビリオンのファサードと屋根には、水をモチーフとしたデザインを採用。建物の中心には球体があり、持続的に利用可能なクリーンエネルギーと“日の出”を表現しています。海から朝日が昇っていくイメージです」と解説。まさに“幕開け”を感じさせる施設になりそうだ。 韓国パビリオンに案内されると、目の前には巨大なディスプレイが。韓国の観光地や伝統文化がわかる美しい映像が流れていた。開催期間中には、このディスプレイに世界的な人気があるK-POPアーティストのコンサート映像を映すことも検討しているのだとか。 韓国パビリオンのテーマは「With Hearts」で、「こころを寄り添い、いのち花開く未来へ」というサブテーマが付けられている。館内は3つのエリアに分かれ、AIを駆使した音声や映像といった未来的な展示を予定。KOTRA大阪貿易館の館長・孫昊吉さんは「来場を通じて韓国の新たな魅力を感じてほしい」と呼びかけた。 ■大阪の新たなシンボル「大屋根リング」はあたたかみのある木々による居心地の良さが魅力 最後に、世界最大級の木造建築物「大屋根リング」の見学へ。 リングの下部分にあたるリンググラウンドウォークから見える、いくつもの木材が交差する姿は圧巻。リンググラウンドウォークは開催時の通路の役目を果たすと同時に、雨風や日差しなどを遮る滞留空間として利用される。実際に訪れてみると、何とも言えない落ち着いた空間で、快適な万博体験ができそうだ。 リング屋上部分にあたるリングスカイウォークも体験。会場全体を見渡すことができ、リングの外に目を向ければ、瀬戸内海の豊かな自然や夕陽など、海と空に囲まれた夢洲ならではの景色が楽しめる。最後の見学スポットということもあり、先ほどまで歩いてきた建設中のパビリオンの数々を空から見たときは感無量だった。 開催まであと少しとなった大阪・関西万博。まだ全貌が明らかになっていないので、ワクワクしながら続報を待ちたい。