Z世代のViViモデルも目指す、「アクティブバイスタンダー」とは?【プライド月間】
ーー差別やハラスメントを減らして、“多様性社会”が当たり前になるにはどんなことが必要だと思う?
全員 知ること!! サチ 世代によっても多様性への理解度や“当たり前”だとする価値観には差があると思うんです。おじいちゃんおばあちゃん世代が、日々アップデートされていく時代の変化にすぐに順応できないのは仕方がないことですし。私も何度となくおばあちゃんから「さっちゃんは、いつ赤ちゃん見せてくれるの?」と言われています。 上の世代の方たちにも変わって欲しいし、今を知る努力をしてもらうことも大切だと思いますが、下の世代はどういう言葉で伝えていくのか、お互いを知るためにコミュニケーションをとっていくことが必要だと思います。 あとは、多様性を進めるスピードを上げるためにも、国会や地方議会の男女比率を是正するクオータ制を導入して欲しい! クオータ制の話になると、“女性優遇だ”という声が出るんですが、男性に偏っている今の比率がおかしいわけだから、まずは比率を均していった方がいいと思います。 多様性やフェミニズムの話は、自分から学びにいかないとなかなかリーチできないトピック。だからViViみたいな媒体でこういう話ができるのって本当にいいなと思います。今回の記事が、普段はこういう話題に興味がなかったという人にも届くといいな♡ 愛花 まず大前提として、人の性的指向や容姿をイジるのって品がない。そうやって人を馬鹿にするような風潮にはキッパリNO!を示すのがいいのかなと思います。私は、正直、誰かの見た目や性的指向をネタにしているバラエティ番組も全然面白くないです。「コンプラ守ってたら面白くない!」っていう発言も、???って感じなんですよね。だから、こうやって本音を話して、気づいてもらうことで社会って変わっていくのかなと思います。伝えることもそうですが、知ることって本当に大事! たとえば会話の流れで、誰かの“今”を話すことが、“意図せず”とも誰かの性指向をアウティングすることに繋がる可能性もあるじゃないですか。この“意図せず”っていうのがそこら中で起こっているんだと思うんです。知らないことで生まれる差別や人を傷つける言葉を知るためにも、「こういう発言で傷つく人がいるんだよ」「これは言わない方がいい」と教え合っていくコミュニケーションが必要だと思います。そうやって学んで、知識を吸収していけば、思いやりのある対人関係が作れるのではないかと思います。 アリアナさくら 誰かと違うことで疎外感を感じたり、嫌な思いをしても「1人で悩まなくていいんだ!」って、みんなが思える社会っていいですよね。だから、アクティブバイスタンダーみたいに、何かあったら手を差し伸べてくれる人が周りにいると感じられることは本当に心強い。あとは、自分と違う意見を持つ人の話にも耳を傾けることも必要だなと思います。別にその意見に賛同しなくてよくて、ただ聞くこと。なんでその人はそういう発言をするんだろう?と背景を知ることで、ピースな世界になっていくのかなと思います。 せいら 性別や性的指向のアイデンティティの部分で差別を受けてきた人たちがいることをまずは知ること。そして、その人たちがどんな言葉や制度で傷ついてきたか、どういう過去があったのかっていうのは人によって違うから、話を聞かないで分かった気でいてはいけないなと改めて思いました。そして、知ろうという興味を持つ人が少ないと、差別やハラスメントを受けた側が「どうせ分かってもらえないからいいや」って諦めちゃう。そういう社会ってやっぱり悲しいし、悔しい! 今回の取材で私も色々考えたんですが、自分が怖いのって炎上よりも誰かを傷つけることなんだなって。自分に知識がないことで、傷つく人がいたらどうしようって思うと、なかなか発言できずにいました。 でも、傷ついた経験を話し合ったり、もし自分の大切な人が当事者だったら?と考える時間を設けるだけで、大分違う気がします。人の見かけがどうとかこうとか、そういう意味のないことで盛り上がっていないで、もっと本質的な議論をするべきだなとつくづく思いました。 人を人は人。自分は自分。自分の人生を生きながら、なるべく人を傷つけずに生きていきたいです。 性的指向や性自認は、それぞれ違った色を持つ虹色のグラデーション。「分からない」や「知らない」、「意見がない」ことがあってもいいんです。 「自分には関係ない」とLGBTQ当事者を異質な他者として扱うことは、社会がつくり出している障害のひとつ。その障害を取りのぞこうと行動を起こすのは、イコール自分や家族、友達、大切な人のためでもあります。自分の周りの誰かが無配慮な言葉を投げかけられていたり、差別やハラスメントを受けている場面に遭遇したら、何かしら行動できる人でありたい。それが今のViViモデルのリアル。 ------------ Interview & Text:Yumiko Ito
講談社 ViVi