天皇陛下、日英の友好関係「さらに高みに登る機会を得ている我々は幸運」…あいさつの日本語訳全文
最新鋭の技術を駆使したパフォーマンス・ラボラトリーの視察など、王立音楽大学を再び訪問することも楽しみにしています。また、皇后と共にV&A(ヴィクトリア&アルバート)子ども博物館を訪問し、日英の子供たちと交流して、両国の文化や芸術が、国や時代の枠を超えて子供たちにどのようなインスピレーションを与えているのか、直(じか)に感じられればと思います。さらには、皇后と私が留学し、一学生として英国の生活・文化を経験したオックスフォードの地を訪れ、国王陛下の母校のケンブリッジ大学ではありませんが、日英間の学術・研究・教育分野での協力や若い世代の交流の促進に少しでも貢献できればと考えています。日英関係は、長い年月をかけ世代を超えた人々の交流を通じて育まれてきました。今回の英国訪問を通じて、両国の友好親善関係が、次代を担う若者や子供たちに着実に引き継がれ、一層進化していく一助となれば幸いです。
我々の時代においては、国王陛下からも言及があったとおり、政治・外交、経済、文化・芸術、科学技術、教育など、実に様々な分野で日英間の重層的な連携・交流が加速しており、日英関係はかつてなく強固に発展しています。裾野が広がる雄大な山を、先人が踏み固めた道を頼りに、感謝と尊敬の念と誇りを胸に、更に高みに登る機会を得ている我々は幸運と言えるでしょう。今後とも日英両国がかけがえのない友人として、人々の交流を通じて真にお互いを理解し合う努力を弛(たゆ)みなく続け、永続的な友好親善と協力関係を築いていくことを心から願っています。
ここに杯を挙げ、国王王妃両陛下の御健勝と、日英関係の更なる発展と世界への貢献、そして両国国民の末永い幸せを祈ります。