宮島来島者、5年ぶり最多更新へ 2024年 480万人に届くペース
宮島(広島県廿日市市)の2024年の来島者数が、年間最多を5年ぶりに更新する見通しとなった。市のまとめでは480万人に届くペースで、これまで最多だった19年の465万7343人を近く上回る勢い。円安を追い風にインバウンド(訪日客)が増えたのに加え、紅葉の見頃が分散し、秋以降の好調が続いている点も要因に挙がる。 【グラフ】宮島への来島者数の推移 市観光課によると、来島者数はフェリーなどの航路の乗客数から集計し、今年11月末までの速報値で448万2910人。12月も堅調で、この土日で最多を塗り替える可能性が高いという。 宮島の来島者は、新型コロナウイルス禍の20~22年に大幅に落ち込み、21年は過去最少となった。23年は、19年に次ぐ数にV字回復。今年は猛暑の影響で夏場に伸び悩んだが、閑散期の2月に加え、9、11月も同じ月の過去最多を記録した。 市は昨年10月に来島者に1人100円を課す宮島訪問税を導入。それでも、訪日客の間で世界遺産・厳島神社のある宮島の人気は根強いとみる。最もにぎわう紅葉期の木々の色づきが今季は段階的で、長く楽しめているのも好調の一因という。宮島観光協会の上野隆一郎専務理事(57)は「よくぞここまで戻ってきてくれた。より心を込めてもてなしたい」と話す。 一方で、オーバーツーリズム(観光公害)の懸念もある。市は、訪問税を活用して宮島口の車の渋滞や島内のトイレの混雑、ごみ対策などを模索する。
中国新聞社