災害関連死を防ぐ 仮設住宅に「コミュニティ」を 輪島市に新たな福祉拠点建設で介護予防を促進
石川県輪島市では、11月から仮設住宅で暮らす人たちに向けて住民同士の交流を深めるコミュニティーセンターの建設が進んでいます。新たな福祉拠点を活用し精神的な孤立から住民を守り、災害関連死などを防ぐ役割を目指します。 【写真を見る】災害関連死を防ぐ 仮設住宅に「コミュニティ」を 輪島市に新たな福祉拠点建設で介護予防を促進 輪島市では11月の初めから、マリンタウンや鳳至町など4つの仮設団地でコミュニティーセンターの建設が始まりました。 整備と運営を担うのは、入浴施設やレストランなどを提供している輪島KABULET(カブーレ)です。 輪島KABULET・寺田誠施設長「これから仮設の生活が長くなっていくにあたり、孤立と孤独が非常に問題になってくると思いますので、介護予防を中心にやっていく必要がある」 コミュニティーセンターには共同浴場をはじめ、カウンター付の食事処に加え、茶道や生け花といった教室も設けられる予定で、住民が外に出て毎日会話をすることで、健康的な生活を促します。 輪島カブーレでは、運営する入浴施設が9月の豪雨で床上まで浸水する被害に遭いました。 輪島KABULET・寺田誠施設長「食事処に関しては床上浸水35センチの浸水があって、9月21日の川が決壊した後の15分で(水が)腰まで」 ■豪雨で施設整備がピンチも住民が復旧作業 しかし、豪雨の2日後には復活を願う住民が駆けつけ、復旧作業を手伝う姿を目の当たりにし、寺田さんは被災地での共同浴場の大切を肌で感じたといいます。 輪島KABULET・寺田誠施設長「お風呂入ったら気も和らぐのでいろんな話をする。そういうことで「明日もよろしく」なんて言いながら次の日に向かっていくということが仮設にも大事だと思う」 コミュニティーセンターは2025年の5月以降に順次開設する予定で、共同浴場は無料で住民に提供することにしています。 仮設団地での暮らしを少しでも向上させるため、こうした新たな取り組みが住民らの健康の源になることが期待されます。
北陸放送