「何がいけない?」柔道・永瀬の”表彰台事件”に対する韓国人記者の反論と浮かび上がる「文化の違い」
柔道男子81kg級で史上初となる五輪連覇を果たした永瀬貴規(30)の表彰式での一幕が、思わぬ形で話題を呼んだ。 【画像多数】「号泣のウラで…」柔道・阿部詩 ″合い鍵″半同棲のお相手は8歳年上「カリスマ美容師」 「表彰台で記念撮影に応じる際、最前でメダルを披露したのは永瀬ではなく、銅メダリストのイ・ジュンファン(韓国・22)だったのです。永瀬は彼にベストポジションを譲る形で、半歩後ろで穏やかな表情を浮かべながら金メダルを掲げていました。 決勝を戦った銀メダリストのタト・グリガラシビリ(ジョージア・24)は再三、チャンピオンである永瀬を前に誘導しようとしていたようですが、結局、目立っていたのはイと、同じく銅メダルを獲得したソモン・マフマドベゴフ(タジキスタン・25)でしたね。永瀬は3大会連続のメダル、2大会連続の金でしたから、初めてメダルを獲得した選手を気遣ったのでしょう(現地を取材していた全国紙記者) 王者がライバルに花を持たせる。なんともホッコリする光景だが、日本国内からは「イ・ジュンファンが永瀬を押しのけて前に出ている」という声が挙がった。この状況に対し、パリ五輪で柔道を取材する韓国メディアの記者はこう話す。 「イは試合前、『学生時代からこの日のために必死に練習してきたんだ』と意気込んでいて、試合後は『まだまだ自分の実力が足りなかった』と、今回の結果を謙虚に振り返りました。とはいえ、初出場の五輪でメダルを獲得したわけですから、その喜びは計り知れない。表彰式でテンションが上がっても仕方ないでしょう。 万が一、イが目立つために永瀬を押しのけたのだとしても、いったいそれの何がいけないのでしょうか? 喜びを家族や国民に伝えたい思いを22歳の若者が持つのは自然なことです。マフマドベゴフも永瀬より前にいましたよね。 スポーツは競争の世界。常に前へ、前へと進む姿勢がイのメダル獲得という偉業を近づけたんです。永瀬選手も文句を言わず、笑顔で譲ってくれたわけですから、全く問題はないように思います」 一方、日本の柔道記者からはこんな意見が。 「日本人選手は、柔道が単なるスポーツではなく、“武道”であることを重んじる傾向が他国の選手よりも強い。実際、ポイント狙いの柔道を嫌ってリスクを負ってでも一本を取るために組み合うことが多いんです。 たしかにアスリートが目立つことは必要かもしれませんが、道を極めようとしている選手は、畳の外での行動にあまり気を配らない。永瀬選手の表彰台での行動が意識的なものなのかは分かりませんが、そうした精神性が日本の柔道選手の中に刻み込まれていることは間違いないでしょう。前に出るアスリートと、全てを畳の上に集約する求道者。これはいわば文化の違いですから、どちらが正しいのかは分かりません。でも、私は永瀬の振る舞いは美しかったと断言したい」 スポーツから文化の違いを感じ取れることも、国際大会の醍醐味なのかもしれない。
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