杉野遥亮“宮本”の「患者の思いに寄り添う」気持ちが判断を誤らせたのか<マウンテンドクター>
杉野遥亮が主演を務める月10ドラマ「マウンテンドクター」(毎週月曜夜10:00-10:54、フジテレビ系)の第5話「夜の山で熊による襲撃事件発生!MMTに新たな試練」が、8月5日に放送された。“山での死亡者0(ゼロ)”という目標を叶えるため、院長の松澤(檀れい)は病院でレスキューヘリを所有しようと考えていた。そのためにもMMTによる成果を示さなければならないが、思わぬ事故が発生してしまう…。(以下、ネタバレを含みます) 【写真】山の装備を間違えて、熊に間違われてしまった小宮山(八嶋智人) ■山岳医療の現場を描く作品 本作は、信濃総合病院の山岳医療の現場に放り込まれた青年医師が、さまざまな思いを抱えた山岳医や患者と触れ合い、現実と向き合いながら成長していく姿を、長野・松本を舞台に描く山岳医療ドラマ。 杉野は整形外科医と山岳診療科を兼務する医師・宮本歩を演じ、歩と幼なじみの麻酔科医・村松典子を岡崎紗絵、看護師・鮎川玲を宮澤エマ、歩と典子の幼なじみで焼き鳥店を営む小松真吾を向井康二、循環器内科医・掛川康二を近藤公園、オペ看護師・平早紀をトラウデン直美、救命救急医・小宮山太を八嶋智人、信濃総合病院の院長・松澤周子を檀れい、そして国際山岳医としての資格を取得し、海外での活動経験もある山岳医・江森岳人を大森南朋が演じる。 ■山で死亡者を出さないためにも病院でヘリを所有することを計画 MMT(マウンテンメディカルチーム)を作り、「山での死亡者0(ゼロ)」を目標に掲げている病院長の松澤(檀れい)。そのためには国の認可を取得する必要があり、県に協力を要請した。そして、県の医療政策課から純家健一(松尾諭)が視察にやってきたが、どうやら純家はMMTの活動自体に懐疑的というか、いい印象を持っていない様子。 MMTが掲げる目標「山での死亡者0」についても、「今のところは、ですよね」と冷めた反応しか示さない。その純家を説得させるためにはMMTが実績を積むしかないが、思いがけない事故によってMMTの前に暗雲が立ちこめることに…。 ■宇田の登山を後押しする宮本は、親身になって相談にも乗った 心臓に疾患を抱える宇田(螢雪次朗)は、宮本(杉野)が山岳診療科で初めて担当した患者だった。亡くなった妻が登山好きで、書き残した景色を見るために険しい山にもチャレンジしようとしている。 妻が見た景色を自分も見ることで、思い出を共有することができ、心臓疾患のある宇田にとって登山は易しいものではないが、「妻とのデート」としてそれを達成しようと計画していた。 検査の結果もクリアし、宮本から登山のアドバイスをもらったりして、万全の準備をして臨んだ宇田。登っている途中で、仲の良い若い夫婦に出会い、自分たち夫婦と重ねてほほ笑ましく、その様子を見ていたりした。 その晩、多くの登山者と同じように宇田も自分で組み立てたテントで眠っていたが、熊が現れ、テントを襲撃した。 ■心臓に疾患のある宇田がケガをした女性を背負って山荘まで 襲撃されたのは宇田のテントではなく、その若い夫婦のほう。夫は腕を負傷し、妻は頭部を負傷。周囲にたくさんの人たちがテントを張っていたが、熊の襲撃から逃れようとして、もう誰もいなかった。 電話で宮本の指示を仰ぐが、それでも血が止まらず、宇田は頭部をケガした女性を自分が背負って山荘まで降りることを決意。 宇田の頑張りで、山荘にいた小宮山(八嶋)と宮本の治療で若夫婦は助かり、明け方にレスキューヘリによって無事に病院に搬送された。 ■ 「僕が、宇田さんを死なせた…」 熊の襲撃という不測の事態を切り抜け、「山での死亡者0」の目標が維持できた。と思っていたが、「ちょっと疲れただけ。休ませてもらおうかな」と言って、イスから立ち上がった宇田が倒れてしまった。 ヘリで搬送中に「先生、ありがとう」と宮本に感謝の気持ちを伝え、意識を失った宇田。病院で治療をするが宇田の意識は戻ることはなかった。そして「死亡者0」の目標もかなわず。 屋上でうなだれる宮本に江森(大森南朋)が「心室頻拍を起こした原因として心サルコイドーシスの疑いがあった」と指摘し、「それに気づけていたとしたら」と厳しい言葉を突きつける。そして「確証バイアスに陥っていたんじゃないか」とも。 宇田の気持ちに寄り添い、親身になって登山の夢を叶えさせてあげようとした宮本の優しい気持ちがアダになったのではないか、と。 「僕が、宇田さんを死なせた…」 SNSには「悲痛な叫びが頭から離れない」「ラストが衝撃的な展開だった」「若い医師が通る道なのかな…」と、今回の悲しい出来事とラストの宮本の姿への反響が多く見られた。 ◆文=ザテレビジョンドラマ部