人気作の続編「民王R」「トラベルナース」が明暗を分けたワケ…テレ朝の“続編戦略”は1勝1敗
遠藤憲一(63)主演の「民王R」(テレビ朝日=火曜夜9時)の世帯視聴率が低迷している一方、岡田将生(35=写真)が主演を務め、中井貴一(63)と“ナースの相棒”を演じている「ザ・トラベルナース」の“続編”(テレ朝=木曜夜9時)が絶好調だ。 【写真】最も多忙な俳優・遠藤憲一が“覚悟”語る(2015年) 「“シーズン1”は2022年の秋クールに放送され、全8話の平均世帯視聴率が12%台とヒット。その続編となる今期も、世帯視聴率が第4話まですべて11%台という安定ぶり。初回12%台だった『相棒season23』も安定していますが、第2話以降の平均では『相棒』を上回っています。局内では早くも“シーズン3”の話が進んでいるという噂も……」(広告代理店関係者) 岡田が演じる優秀でプライド高いがいじられやすい那須田歩と、中井が演じる物腰は柔らかく独特の哲学を持って周囲に接する“大嘘つき”の九鬼静という《最強ナイチンゲールコンビ》による医療ヒューマンドラマ。今年12月6日に劇場版が公開される人気シリーズ「ドクターX 外科医・大門未知子」の中園ミホ氏が脚本を務めている。 ネット上では《岡田さんと中井さんの掛け合いが帰ってきてうれしい》《目新しさは感じないけどテレ朝ドラマらしい安定感で好き》《野呂佳代の出るドラマにハズレなし》と概ね好評で、レビューサービス「Firmarks」での評価は5点満点で3.5(15日現在)と、2022年の前作と同じ。 「舞台となる病院も寮も変わったのに、第1期のメンバーの集まり方はかなり強引でしたが、話が始まってしまえばそれも気にならなくなる、続編として理想的な入り方でしたね」と語るのは、2022年の初回放送直後に「『ドクターX』の後継シリーズになり得る」と評価していたテレビコラムニストの亀井徳明氏。その亀井氏は「ゆるく見られる中に、ちゃんと計算がある」と、こう続ける。 「冒頭に短いワンエピソードあってからの遠藤憲一さんのナレーションで入る、お決まりのオープニング。それからメインの話があって一段落からのナレーションでエンディングへ。昭和の時代からあるフォーマットですが、今どきリアルタイムで地上波テレビを視聴する層にとっては、これが一番見やすいはず。セリフも聞き取りやすいし、専門用語や新しいカタカナ言葉は極力少なめにしているのも、リアタイ視聴者への配慮を感じます。第5話では“ハラスメント”の話が出てきましたが、中高年の受け止め方に寄り添った扱い方でした」 ただ、それを《古臭い》《テンポやセンスが悪い》《どこが面白いのか分からない》《展開がご都合主義すぎる》などと厳しい受け止め方があるのも確か。 「それは承知の上で、振り切っているんだと思います。その点、やはり人気作の続編である『民王R』は、時間帯が深夜枠から9時になったことで客層を意識するあまり、前作の良さを消してしまったように思いますね。菅田将暉さんが出ていないというのも、もちろん大きいのですが、前作の支持者と9時台のリアタイ視聴者層の両方にウケようと欲張った結果、ネットの評価も視聴率もいまひとつ。まあ、僕はこれはこれでTVerで深夜に楽しんで見ていますけど」(前出の亀井氏) 今期のテレ朝の“続編戦略”は、1勝1敗といったところか? ◇ ◇ ◇ 高好感度俳優、岡田将生の「役者の凄み」とは……もっと読みたい人は、以下の■関連記事もぜひ!